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インターフォンを鳴らす時間も惜しい? ブラックフライデーで配達員にかかる負担

2022年12月01日 06:20  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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円安不況でも盛り上がっているブラックフライデー。とりわけ通販大手Amazonのセールは圧巻だ。家電や雑貨、衣料品、食品などなど、誰でも「いま安いから買っておこう」と思う商品を見つけることができるからだ。でも、注文する側はネットでポチるだけでも、実際に商品を運ぶ人たちの忙しさは半端なくなっているようだ。(文:昼間たかし)

朝8時に配達されたという人も

個人的な話だが11月29日の朝、パソコンを立ち上げると、Amazonから複数のメールが届いていた。いずれもタイトルは「ご注文商品の配送状況について」。開いてみると「誠に申し訳ありませんが、以下のご注文について配送に遅延が発生する可能性がございます」との案内があった。

いやいや、そんなに急がなくてもいいんだけどと思っていたのだが、まず9時過ぎにやってきたのがヤマトの配達員。自宅アパートのモニタ付きインターホンには大量の荷物を抱えた配達員がいて、開口一番「玄関のドア前でいいですか」と一言。その余裕のなさっぷりに、注文したこちらも罪悪感を感じながら「大丈夫です。お願いします」と返事をした。

間が悪いことに、このところ注文した商品は、まとめて1個ではなく、バラバラに発送されていた。ケーブル1本、バッテリー1個のために無駄に荷物を増やしているのかと思うと、申し訳ない気分になる。

そんなことを考えているうちに2回目がきた。

今度はインターホンが鳴ったので出ようとしたら、すでにモニターの前に誰もいない。そして、玄関ドアの前にドサっとなにかが置かれる音が。ドアを開けてみると、既に人の姿はなくAmazonの段ボールだけが置かれていた。配達人の苦労は忍ばれるのだが、姿は見えずとも存在は感じるあたりで、民話の「かさじぞう」を思い出してわらってしまった。

今度の荷物は段ボールと、封筒が複数あった。しかし、これでも、まだ全部の荷物は到着していない。これまでもAmazonが大型セールを開催すると、配達が遅れることはあったが、今回は一段と配達員がオーバーワークになっていることを感じる。

ほかの地域でも同様な状況なのかと、今日Amazonから荷物が届いた人に聞いてみると様々な声が。

「朝8時半に段ボールを抱えて、必死な顔で運んできてくれました」
「在宅だったのにインターホンは鳴らずに、宅配ボックスに荷物が入っていました」
「階段だけのマンションの3階に複数個のミネラルウォーターとお茶のケースを運んでくれて申し訳ない……」

などなど。

荷物が大量すぎて、扱いが雑になっているという声もあった。雨が降っているというのに、玄関前の雨が降り込むところに荷物が置かれていたというのだ。こんな配達をされた本人に話を聞くと、中身は「なんとか大丈夫」だったものの想いは複雑だ。

「労働環境に不満で客にあたっていると思うんですよね……」

仕事のノルマがキツすぎると、仕事が「雑」になるのは仕方ない側面もあるが……。

いずれにせよ、必死に荷物を運んでいる配達員のおかげで商品が手元に届いているのは、まごうことなき事実。さすがに申し訳ないので、筆者はさっき来た配達員を待ち構えてペットボトルのお茶をお渡しした。ちょっとでも癒やしになっていればいいのだが。