保育士は子どもの成長を見守る大切な仕事だが、保育園を即行で辞めた保育士からの経験談が多く寄せられている。退職理由は、劣悪な保育環境や人間関係の悪化によるものが目立つ。
神奈川県の50代女性(年収100万円)は、子どもが250人ほどいるマンモス園でフルタイムのパートとして働き始めたが、ある日を境に嫌がらせが始まったという。(文:林加奈)
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「休憩室に入るなと言われ、幅40センチのロッカーの前で…」
女性がいたクラスは保育士が7人いたというが、女性が休みを取ったことで「人が少ない時間だから迷惑だ」と文句が出た。そのため、女性は担当クラスの変更を上に掛け合ったのだろう。
「『変わりたい』と副園長に願い出たところいじめが始まりました。休憩室に入るなと言われ、幅40センチのロッカーの前で座って休憩を取っていました。また、仕事を教えてもらえないなどの嫌がらせをされました」
職場でのいじめに耐えること1年、女性は年度末に退職した。「保育士は年度末で辞めるのが通例なので、勤務を続けましたが、即辞めるべきだったと思います」と責任をまっとうした女性だったが、退職が遅れたことを悔やむ様子もうかがえた。
「園長に改善箇所を伝えても改善されない」
一方、年度末まで待てずに4か月で退職したという声も寄せられている。千葉県に住む50代女性(年収200万円)によると
「ギリギリの人数配置で2歳児18人を3人で見る。死角も多く、オムツも布オムツなのでおむつ替えの回数がハンパない」
厚労省では、保育士の配置基準は1・2歳児で6人につき保育士1人としている。基準こそ満たしているものの、実際の現場ではこれに疑問があるようだ。筆者の子が通う保育園でも布オムツを使用しているため布オムツを替えたことがあるが、紙オムツより手間がかかった。保育士の負担が大きいのは容易に推測できる。女性はそれに加え、
「園長に改善箇所を伝えても改善されず、ひたすら1日をこなすスケジュールで全く保育を楽しめない。ほかの保育士も、子どもがご飯をこぼしたら怒る。職場環境最悪でした」
と当時を振り返る。退職して他の園に移った今は「私は良かったですが、あの園にいる子ども達がかわいそう」と、子どもたちが気になっているようだ。