シリーズ最終戦となるFIM アジアロードレース選手権(ARRC)第5戦がタイのチャン・インターナショナル・サーキットで11月18日~20日に開催された。注目は最高峰ASB1000クラスのタイトル争いの行方。第4戦までに4勝を挙げポイントリーダーとなっていた埜口遥希(SDG Motor Sports HARC-PRO Ph.)が、まさかの欠場。逆転タイトルの可能性のあるライダーは3人に絞られていた。
第4戦マレーシア、セパン・インターナショナル・サーキットのレース2で今シーズン4勝目を挙げた埜口は、154ポイントを獲得し暫定ランキングトップをキープ。暫定ランキング2位のザクワン・ザイディ(Honda Asia-Dream Racing with SHOWA)が135ポイント、カスマ・ダニエル・カスマユディン(YAMAHA Racing Team ASEAN)とアヌパブ・サルムーン(YAMAHA Thailand Racing Team)が115ポイントで続いていたが、有利な状況で最終戦を迎えるはずだった。
2レース制で行われるARRCだけに、ザクワンが逆転する可能性は高かったが、アヌパブとチームメイトのアピワット・ウォンタナノン(YAMAHA Thailand Racing Team)や伊藤真一率いるAstemo SI Racing Thai Hondaのパサウィット・ティティワララックなど地元勢も速い。また、埜口の代役として全日本ロードJSB1000クラスの榎戸育寛が参戦。初めてのARRC、初めてのブリーラムだが、昨年はST1000クラスを走っておりダンロップタイヤの経験もあるだけにJSB1000ライダーの実力を見せつけて欲しいところだった。
2番手には榎戸が上がり、自己ベストを更新する走りで2位でゴール。注目の3位争いは、バックストレートエンドのブレーキングでカスマがコースアウト。アズラン・シャー・カマルザマン(ONEXOX BMW TKKR Team)を先頭にザクワン、カスマ、アヌパブと続き最終コーナーへ。ザクワンとしては、カスマにかわされてもタイトル獲得という状況だった。最終コーナーでカスマはザクワンをかわし4位でゴール。ザクワンは5位でチェッカーフラッグを受け逆転でシリーズチャンピオンを獲得した。