長時間働き、会社の求める成果を出しても、まったく給料に反映されない。そんな会社で働き続けたいと思う人がどれくらいいるだろうか。流通・小売系の会社で働く30代後半の女性(福岡県/正社員/未婚)は、
「責任者という役職もあり、歴も長いが、コロナで業績悪化のために給料10%カットになり早3年」
と、こぼす。現在、女性は年収250万円、手取り18万5000円ほど。たしかに役職持ちのベテランの給料とは思えない額だ。(文:福岡ちはや)
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「贅沢しなければ生きてはいけますが、まったく楽しくはない」
いくらコロナで業績悪化したとはいえ、ここまで“ないない尽くし”の待遇があっていいのだろうか。女性は、
「ボーナスもなし。予算達成しても何も変わらない。モチベーションは上がりません。キャリアを積んでも、ここ5年でお給料は一切上がらず、もはや減らされて……」
と嘆く。また、役職のせいか、それとも会社の方針なのかはわからないが、「月60時間まではサービス残業です」と女性は明かした。せめて働いた時間分の給料くらい、きっちり払ってほしいものだが。
おかげで女性の生活水準は「最低限レベル」にとどまっているという。
「割引の商品買ったり、贅沢しなければ生きてはいけますが、まったく楽しくはない。将来のことを考えるととてつもない不安に襲われます。子どもを養うのも金銭的に難しいので、産むことを諦めました」
このまま最低限レベルの給料で働き続けるのか、別の会社に転職して活路を見出すのか。気の毒ではあるが、この先どうするかは女性が自分で決断するしかない。