Twitter社CEO就任で注目を集めるイーロン・マスクがTwitter社員に「超ハードコアな働き方」をするか、さもなくば退職をしろと要求したという。
11月16日に報じられたニュースに対し、日本の一部ネットユーザーに見られたのが「超ハードコアって週40時間労働かよ、大したことないな」という反応だ。大いなる誤解である。
「週40時間労働で世界を変えた人はいない」
11月上旬に米メディアが報じたところによると、マスク氏は、社員に対して「明日から、少なくとも週40時間のオフィスワークをしろ」と命じたそうだが、これはオフィスに出社して働く最低限の時間を言っているだけだ。職場にいないときに働かなくていいとは言っていない。ちょっと常識はずれかもしれないが、そこはイーロン・マスクだ。
そもそもマスク氏自身、ものすごい長時間労働をしている。今年9月の公開インタビューでは、「毎日17~8時間、週120時間は働いている」「寝て起きて仕事、寝て起きて仕事。だけど仕方ないんだ」などと話している。同じインタビューでは「もう何年も工場に泊まり込んで、机の下で寝ている」などとも発言している。
過去にも「週40時間労働で世界を変えた人はいない」とツイートしていたりする。彼がこの価値観をそうそう簡単に変えるとも思えない。
では彼の考える「超ハードコアな働き方」とは、どんなものなのか? bloombergによると、今回マスクはTwitter社員にも「週80時間労働」を求めている。
週80時間労働は、1か月になおすと時間外労働が「160時間」になる。これは、いわゆる「過労死ライン(月100時間)」をぶっちぎってしまう。とても通常人についていけるレベルではない。
イーロン・マスクはTwitter社の置かれる財政状況について「破たんもありうる」と警告したようだ。しかし、本当にこのレベルの働き方をする人以外を追い出すなら、Twitter社から「誰もいなくなる」ほうが先かもしれない。