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チャールズ国王、ヘンリー王子とアンドルー王子に代わる「国務参事官」を正式に要請

2022年11月17日 08:41  Techinsight Japan

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チャールズ国王、アン王女とエドワード王子を国務参事官に加える
チャールズ国王が、王室公務から退いたヘンリー王子とアンドルー王子の代わりに、妹アン王女と末弟エドワード王子を「国務参事官(counsellors of state)」に加えるよう要請した。現在ヘンリー王子とアンドルー王子は英国の摂政法に従い、君主の公務を代行する5人の国務参事官に含まれている。摂政法の改正が合意されれば、アン王女とエドワード王子が昇格し、国王の代理を務めることになる。

現地時間14日、英国議会の貴族院(上院)でチャールズ国王の署名による声明文が読み上げられた。その内容は、ヘンリー王子とアンドルー王子の代わりに、アン王女とエドワード王子を新たな国務参事官に任命することを求めるものだ。

英国の摂政法では、君主が体調不良になったり海外に滞在中の場合の代理として、重要な憲法上の任務を遂行する「国務参事官」の役職に5人が任命される。

同法によると国務参事官は君主の配偶者に加え、21歳以上の王位継承者4人が選ばれる。そのため現在はカミラ王妃とウィリアム皇太子に加え、王室公務から退いたヘンリー王子とアンドルー王子が含まれているのだ。残る1人は、アンドルー王子と元妻セーラ・ファーガソンさんの娘ベアトリス王女だ。

しかしヘンリー王子は2020年3月に王室離脱し、米カリフォルニア州に移住。アンドルー王子は2019年に過去の未成年少女に対する性的暴力疑惑への関連が浮上後、公務を引退している。

そのため先月、英国の貴族院(上院)では労働党のスタンスゲート子爵が、現役の王族でない2人の王子達が役職に任命されていることに異議を唱えていた。議会では長時間の議論が交わされ、議員達はヘンリー王子とアンドルー王子を国務参事官の役職に踏み込ませないため、1937年に定められた法の改正を政府に働きかけるよう、チャールズ国王を説得しようとしたと報じられていた。

そしてついに国王が摂政法の改正を求めるよう、正式な声明文を提出したのである。

議会で読み上げられた文書によると、国王はアン王女とエドワード王子が任命されれば「最も満足する」と述べ、この変更により「私が海外公務で不在の時などに、公務の継続的な効率化を図ることができる」と説明している。

国王による提案は、国務参事官の役職からヘンリー王子とアンドルー王子の名前を除外するのではなく、対象となる王室メンバーを増やすことで現役の王族でない2人の王子が国王の代理を務める機会を停止するというものだ。

国王によるメッセージは庶民院(下院)にも届けられ、国会議員には後日法案が提出されると告げられた。アン王女とエドワード王子が国務参事官に任命されるには、摂政法を改正する立法措置が必要となる。

16日には貴族院で、国王の要求を実現するための「国務参事官法案(the Counsellors of State Bill)」が提出された。

先月にこの問題を議会で取り上げたスタンスゲート子爵はこれを歓迎し、変更が速やかに制定されるよう呼びかけた。来週には、2回目の審議が行われる予定だ。
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)