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LiSA、FANTASTICS、三宅健、7ORDER、ALI……11月16日リリースの新譜5作をレビュー

2022年11月15日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

LiSA『LANDER』(通常盤)

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は11月16日リリースのLiSA『LANDER』、FANTASTICS from EXILE TRIBE『Choo Choo TRAIN』、三宅健『NEWWW』、7ORDER『Growing up / 爛漫』、ALI『NEVER SAY GOODBYE』の5作品をピックアップした。(文:森=森朋之、松本=松本侃士)


(関連:LiSAの11年は挑み続けた“今”の連なりだーーミニオン登場、新曲「NEW ME」も初披露した武道館ワンマンを観て


■LiSA『LANDER』


 まず驚かされるのは、今作が誇る豪華絢爛な楽曲のラインナップだ。アニメ『鬼滅の刃』シリーズの「炎」「明け星」「白銀」をはじめとした数々のタイアップ曲は、LiSAが不動の“ロックヒロイン”であるのと同時に、堂々たるポップスターとしての地位を確立した輝かしい証左である。時代とシンクロを果たした最強モードの彼女から届けられた今回の新作には、さらに果敢にアクセルを踏むパワフルな意志がみなぎる新曲がいくつも収録されている。その一つが、ABEMA/テレビ朝日『FIFAワールドカップ カタール 2022』番組公式テーマソング「一斉ノ喝采」だ。新進気鋭のアーティスト・竹内羽瑠が手がけた獰猛なロックナンバーを軽やかに乗りこなすLiSAの歌声、その鮮烈な響きが深く胸に響く。また、ラストナンバー「NEW ME」における〈さぁ、行こう 未来“NEW ME”に会いに行こう〉という新章へ向けた宣誓も痛快だ。まだ見ぬ未来を見据えて制作された今作は、彼女が唯一無二にして破格のスケールを誇るシンガーへと進化し続けていく兆しを感じさせる。改めて、圧巻のロック&ポップアルバムだと思う。(松本)


■FANTASTICS from EXILE TRIBE『Choo Choo TRAIN』


 亀田誠治×佐藤可士和×FANTASTICSのスペシャルコラボレーション『FAN FAN PROJECT』。第1弾楽曲「Summer Bike」に続く3部作の第2弾は、ZOOからEXILEに受け継がれてきた「Choo Choo TRAIN」のカバー。日本のダンスボーカルグループの歴史に欠かすことができない楽曲だが、亀田誠治のサウンドプロデュースにより原曲のイメージをしっかり残しつつ、リズムのアレンジ、ホーンの旋律などをアップデートさせ、現代的なダンストラックへと昇華。原曲のメロディを爽やかに描き出す八木勇征、中島颯太のボーカル、そしてこれまでの振り付けを継承しつつ、FANTASTICS流のロールダンスを取り入れながらメンバーが個性的なダンスを披露するMVを含め、この名曲に対するリスペクトが伝わってくる。カップリングはエッジーなロックナンバー「ギリギリRide it out」を収録。(森)


■三宅健『NEWWW』


 V6の解散後、今年に入ってソロで音楽活動をスタートした三宅健から、待望の1stミニアルバムが届けられた。振り返れば、V6は26年間にわたり、新しいアイドル像を絶え間なく更新し続けてきたグループであった。その果敢な挑戦心は三宅のソロ活動にも継承されていて、今作は、アイドルとして新たな表現を追求し続けてきた彼の現段階における集大成となっている。80KIDZ、TENDRE、D.A.N.、butajiをはじめとした、世代やジャンルの異なる様々な気鋭のアーティストとタッグを組み制作された今作の楽曲たちは、それぞれに異なる豊かな響きを放っている。そして一方で、そこには、極限まで洗練されたアダルト&シックなポップスという共通点がある。これらの楽曲は、まさに、年を重ねる中で数々の経験を積み重ねてきた“27年目のアイドル”である三宅だからこそ提示できる、新たなジャニーズポップスなのだと思う。アイドルとしての誇りを胸に、未知なる道を切り開き続ける三宅の姿は、後進のジャニーズたちにとって一つの輝かしい指針となるはずだ。(松本)


■7ORDER『Growing up / 爛漫』


 9月から11月にかけて全国ツアー『7ORDER LIVE FACTORY~脱色と着色~』を開催した7ORDERからニューシングル『Growing up / 爛漫』が到着。「Growing up」(TVアニメ『農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。』オープニングテーマ)は、疾走感に貫かれたロックサウンド、華やかなホーンセクション、開放的で力強いメロディが一つになったアッパーチューン。〈もう少し あと少し その手を伸ばして/僕らだけの輝く場所へ〉に象徴されるポジティブな少年性を感じさせる歌詞も気持ちいい。7ORDERが作詞を担当した「爛漫」は、メンバーの安井謙太郎が出演する映画『死神遣いの事件帖 -月花奇譚-』主題歌。和の叙情性を反映した音像、日本語の響きを活かした歌詞がじんわりと胸を打つミディアムバラードだ。(森)


■ALI『NEVER SAY GOODBYE』


 勇壮な響きをたたえたメロディライン、大地を踏み鳴らすようなスケール感を備えたサウンド。ALIのニューシングル表題曲「NEVER SAY GOODBYE feat. Mummy-D」は、TVアニメ『ゴールデンカムイ』第四期オープニングテーマとしても話題を集めている壮大なナンバー。太古から脈々と受け継がれるリズム、歌、声をモチーフにした歌詞は、『ゴールデンカムイ』の世界観と重なりながら、「生きるとは何か?」という普遍的なテーマへと結びついている。ミクスチャーロックの進化型と称すべきバンドサウンド、RHYMESTERのラッパー・Mummy-Dの日本語特有のグルーヴ、ALIの濃密なエモーションを解き放つボーカルも素晴らしい。カップリングには、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」初の有観客ライブ『INSIDE THE FIRST TAKE supported by ahamo』で演奏された3曲のライブ音源を収録。(森)