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6本脚の子牛に「普通の生活をさせたい」 2本の脚を取り除く手術が成功(仏)

2022年11月15日 10:11  Techinsight Japan

Techinsight Japan

背中の余分な脚を取り除いた子牛(画像は『Clinique vétérinaire du Causse à l’Aubrac 2022年11月7日付Facebook「Vous avez peut être vu passer dans les actualités l’histoire de ce veau né avec 6 pattes」』のスクリーンショット)
フランスのある農場で今年9月、6本の脚を持つ牛が誕生した。この牛は生後1か月ほど6本脚のままで普通に過ごしていたが、健康を考慮して動物病院で手術を受け余分な2本の脚を取り除いた。子牛の独特な外見に対して、Facebookでは様々な声があがっている。『actu.fr』などが伝えた。

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フランス中南部に位置するアヴェロン県の農場で、今年9月に6本の脚を持つ牛が誕生した。この牛はライトブラウンの毛色につぶらな瞳が特徴のリムーザン牛で、仏リムーザン地方のブランド牛として有名である。

子牛は6本の脚のうち4本は通常の箇所にあったものの、背中のあたりに2本の脚が生えていた。

子牛の手術が行われたのは同県サン=ジュニエ=ドルト市にある「コーズ・ア・ロブラック動物病院(Clinique Vétérinaire du Causse à l’Aubrac)」で、ジュディス・バドロン獣医師(Judith Badelon)指揮のもと2人のアシスタントと1人の実習生が助手を務め、2時間半かけて行われた。

コーズ・ア・ロブラック動物病院のアリス・デ・ブソンブ院長(Alice De Besombes)によると、子牛は先天性異常により多くの手足が形成される「多肢症(Polymelia)」を患っていたという。多肢症は牛の場合25,000頭に1頭の割合で発症し、通常はこのような奇形を持って生まれてきた場合の生存率は低いと言われている。

子牛が手術を受けることになった経緯は、子牛のブリーダーとオーナーが「より自然な外見にして、より普通の生活をさせたい」と考えたためであった。

アリス院長は「子牛は手術前の状態でも元気に生きていたが、残念ながら未来はありませんでした」と当時を振り返る。子牛の2本の脚は明らかに機能していなかったことから、同院長は「子牛の健康状態が良かったので、手術をすることにしました」と説明した。

この異例な手術のために、ジュディス獣医師は子牛をより“自然”な外見にすることに気を配ったという。全身麻酔により行われた手術は成功し、現在の子牛は元気に過ごしているそうだ。コーズ・ア・ロブラック動物病院は今後も子牛のオーナーと連絡を取り合い、その健康状態の変化を見守っていくとのことだ。


子牛の手術前後の様子が11月4日にFacebookに投稿されると、「おめでとう」、「感動的だ! 獣医の皆さん、お疲れ様でした! 子牛くん、長生きしてね」といった多くの祝福の声があがった。

しかし一方で「(未確認動物の)イエティよりも酷い見た目」、「より多くのすね肉があっていい」といった不適切なコメントも届いており、アリス院長は憤りをもって「この牛は100%自然に生まれてきたのです」と主張している。

画像は『Clinique vétérinaire du Causse à l’Aubrac 2022年11月7日付Facebook「Vous avez peut être vu passer dans les actualités l’histoire de ce veau né avec 6 pattes」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)