2022年11月14日 18:51 弁護士ドットコム
家事代行サービスのプラットフォーム「タスカジ」(東京都港区)が11月14日、「安心安全のための禁止事項ガイドライン」を制定したと発表した。
【関連記事:花嫁に水ぶっかけ、「きれいじゃねえ」と暴言…結婚式ぶち壊しの招待客に慰謝料請求したい!】
一部のユーザーの中に「相手が不安・不快・恐怖と感じるようなコミュニケーション・言動を行う事案」が起きたことを受けて、プラットフォームや家事代行業界の拡大を見越し、各種ハラスメントなど、リスクへの対応を強化するために制定したという。
家事代行サービスをめぐっては、2021年9月、家事代行業者「CaSy(カジー)」の利用客が、訪問した女性に性的ハラスメントをおこなったとして、威力業務妨害罪で略式起訴された刑事事件が報じられている。
また、ベビーシッター・家事代行マッチングの「キッズライン」を通じて、わいせつ事件が相次ぎ発生したことも記憶に新しい。
タスカジの公式サイトによると、利用者数は約10万人、登録したハウスキーパーは約2600人にのぼる(2022年3月現在)。
ガイドラインでは、禁止事項を6つの類型に分けて、身体的な暴力のほか、叱責などの精神的ハラスメント、卑猥な発言・サービスと関係ない好意的態度の要求といった性的ハラスメントなどを禁じている。
これは、ハウスキーパーと依頼者らユーザーだけでなく、タスカジ事務局やサポートセンターまで対象にしている。
これらの禁止事項に違反した場合、タスカジ事務局は、状況を確認したうえで、コミュニティから退出させるほか、法令違反の行為には警察などと連携して、厳正に対処するという。
〈身の危険や恐怖を感じた場合には、即刻依頼を中断し、事務局までご報告ください。万が一犯罪に巻き込まれそうになった場合には、すぐに警察へ通報をしてください〉と呼びかけた。
同社では、取引相手に不安を感じた場合、クレーム報告を受け付けるなどの監視体制を運用しているという。また、利用規約では、「タスカジさん」と呼ばれるハウスキーパーと、依頼者それぞれについて、有罪判決(軽微な交通犯罪を除く)を受けたことがある場合、同社の判断のもと、利用を禁止することがある。
タスカジをめぐっては、今年10月、家事代行業務中のハウスキーパーが、依頼者から不適切な行為を受けたとして、依頼者のアカウントを停止するといった対応やガイドライン作成に向けた動きの説明がユーザー向けに報告されていた。
(11月16日:一部修正しました)