船はある意味密室と同じで、イヤな相手を避けられない。漁船の甲板部員の仕事を、入社したその日に辞めたというエピソードが寄せられた。(文:林加奈)
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「嫌がらせのように船員手帳を返してくれません」
40代男性(兵庫県/年収200万円)は、「家族や親族でやってる小さな船主が募集していたので、とりあえず乗ってみた」と、入社した経緯を振り返る。実際に船で仕事を始めてみると
「途中から兄弟げんかが勃発して私へのオーダーが相反してどっちに従えばよいかわからなくなった。すると、当時水産高校生だった船主の親族の子どもが私に『早くしろ、バカ』と……。はいはいといいつつ、その日着岸すると同時に辞めると伝えたのですが、船主にはなぜだかわからなかったようです」
指示の内容が異なるうえに、敬語も使えない高校生にバカにされたとなれば、嫌になるのも当然だ。長時間同じ船に乗り続けるのは苦痛でしかないだろう。
おまけに資格者証にあたる「船員手帳」を「嫌がらせのように未だに返却してくれません」と嘆く。
「今振り返っても悶々としますが、関わりを持たなくてよかった。パスポート代わりにもなるほど重要な船員手帳を返却しないほどの船主なので、あのまま所属していればどうなっていたんだろう?と思う」
と、退職した今もすっきりしていない様子。早く船員手帳を返却してもらえるといいのだが。