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犬がおしっこでアートを制作!? 保護犬アート集団「バークシー(Barksy)」誕生- 利益の全額を保護活動に

2022年11月14日 11:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
保護犬の認知向上を目指す「保護犬プロジェクト」は、保護犬たちによるアート集団「バークシー(Barksy)」を発足させた。自らのおしっこを使ったアート作品を制作し販売することで、保護犬自らが犬の保護活動に取り組む。アート作品は11月11日よりNFT上で販売開始された。

「保護犬プロジェクト」はWunderman Thompson Tokyo合同会社と、犬の保護・譲渡活動を行う「ピースワンコ・ジャパン」の協力によりスタートしたプロジェクト。


日本では2020年に約3万匹の犬が保健所で引き取られ、4,059匹が殺処分された(※)。殺処分される数は年々減少しているが、いまだに毎日約11匹が人の手によって命を落としていることになる。



さらに、コロナ禍の影響でペットブームが盛り上がりを見せた一方、経済的困窮や社会経済活動の再開が進むことで、今後飼育放棄が増加することも懸念されている。「保護犬プロジェクト」は、この保護犬問題を多くの人に知ってもらおうと始動した。アート作品の販売により得られた利益は、全額「ピースワンコ」の活動に還元する。

※環境省「犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況」より



犬たちはお互いにおしっこのにおいを嗅ぐことで性別や年齢、体格などの情報を得ているといわれている。地面や電柱、塀など様々な場所にマーキングすることで自己表現を行う彼らは、生まれながらのストリートアーティスト。そんな犬のおしっこを使って、一頭一頭異なる犬のユニークさを表すアート作品を作ることができないかと考えた。


「バークシー」に所属する保護犬は、3頭。ベルーガ(オス/2017年3月頃生まれ、推定5歳7ヶ月)は、食べることが大好きで、散歩ではたくさん匂いを嗅いで楽しんでいる。


あきひこ(オス/2016年11月頃生まれ、推定5歳10ヶ月)は、慣れると甘えん坊になり、撫でられることが好きで、食べることも大好き。


はねみ(メス/2017年5月頃生まれ、推定5歳5ヶ月)は、慣れるとこっそり甘えてきて、ボール遊びが好きだという。



今回のアートは、ステンシルアーティスト赤池完介さんとのコラボレーションにより実現した。銅を塗布した紙に犬のおしっこをかけると、銅が化学反応により変色しおしっこの形が現れる。その上に赤池さんが、おしっこをした犬の肖像を描き、犬によって形状や色、成分まで異なる、唯一無二の"おしっこアート作品"となっている。


赤池さんは「アートが社会の問題を解決するきっかけや手段になることは、これまでの自分のアーティスト活動の中で何度も手応えとして感じてきた事実です。今回のプロジェクトも、まさに最終的なアウトプットでどこまで関心のない人を振り向かせることができるか? を問われていると感じました。ビジュアルは言葉のいらない共通言語です。人間の言葉を発さない彼らに代わり、世界をあっと言わせたいとの思いで参加しました。」とコメント。



作品で得た売り上げのうち、諸経費を差し引いた利益の全額が「ピースワンコ」に寄付される。アートの価格については「ピースワンコ」での保護犬1頭当たりのエサ代を参考に設定し、購入してもらうことで犬の保護活動に繋がる仕組みとなっている。



Art作品現品+NFT Artのセットは45,000円(「ピースワンコ」での保護犬1頭の年間のエサ代をもとに決定)、NFT Art作品単体は3,750円(「ピースワンコ」での保護犬1頭の1か月のエサ代をもとに決定)で、ネットストアAdam byGMO内にて販売されている。(安井柳香)