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SixTONES、初の両A面シングルが大差でチャート首位 グループのイメージ塗り替える“カラフル路線”の決定盤

2022年11月12日 10:01  リアルサウンド

リアルサウンド

SixTONES

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2022-11-14/


 11月14日付のオリコン週間シングルランキングによると、SixTONESの『Good Luck! / ふたり』が391,796枚を売り上げ1位を記録した。そしてJINの『The Astronaut』が104,018枚で2位、STU48の『花は誰のもの?』が68,104枚で3位と続き、SixTONESが2位以下に大差をつける週となった。


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 『Good Luck! / ふたり』はSixTONESの通算8枚目となるシングル。テレビドラマ『最初はパー』(テレビ朝日系)の主題歌「Good Luck!」と、テレビドラマ『束の間の一花』(日本テレビ系)の主題歌「ふたり」の両A面となっている。


 まず目に飛び込んでくるのがCDのジャケットワークだ。今回のリリースは初回盤A・Bと通常盤の合計3種類の形態が用意されているが、いずれもメンバーたちがカラフルなファッションを身につけながら寄り添い合い、笑いながらこちらを見ている写真が使用されている。グループから放たれる明るいパワーが手に取った人にも伝わるような、ポジティブな力のあるデザインだ。


 SixTONESと言えば、黒スーツでクールにキメたスタイリッシュな印象が強い。しかし、それが変化を見せ始めたのが昨年発売の5thシングル『マスカラ』である。King Gnu/millennium paradeの常田大希が制作に参加したことでも話題になった同作は、ピンク~パープルを基調としたアートワークによってSixTONESのイメージをがらりと覆した。先日リリースした映像作品『Feel da CITY』のジャケットではもはや全員がカラフルに染め上がり、初期の面影は消えている。かつてはモノトーンだった6人が活動を深めるにつれてまさに“色”を手に入れていくような、ストーリー性のある流れをパッケージでも見せてきた。


 今作はその流れの延長線上にあると言える。楽曲にも注目してみよう。表題曲の一つである「Good Luck!」は一聴して明るいポップチューンで、辛い過去や現実があってもありのまま進もうと歌う前向きな一曲。これまでは曲にもクールさのあったSixTONESだが、今回は一転して王道のポップソングに足を踏み入れている。この底抜けにポップな曲をポップたらしめているのが、メジャーデビュー以降のSixTONESがあまり使ってこなかったブラスセクションの存在だろう。この三人編成による厚みのある金管隊が、要所でサウンドに祝祭感をもたらしており、曲の色彩感を決定づけている。


 また2番Aメロ以降のサウンドに変化をつけているのが、モチヅキヤスノリによる煌びやかなピアノの演奏。とりわけ全編に渡ってみずみずしい爽快感のあるカッティングギターは、NulbarichやBREIMENのメンバーであるサトウカツシロによるものだ。こうした生演奏による粒立ちのよい音が、曲の印象をよりカラフルなものへと塗り替えていると感じる。


 一方で、もう一つの表題曲「ふたり」は何気ない日常を歌った切なく儚いピアノバラード。「Good Luck!」と同様モチヅキヤスノリによるピアノの演奏がメインの序盤から、徐々にバンドが合流しつつ、最終的に情感豊かな弦楽器が楽曲をドラマチックに変えている。岡部磨知ストリングスによるこの弦の演奏は、他楽器との絡み合いが見事。より深く味わいたければ、通常盤に収録されているインストバージョンをぜひチェックしてもらいたい。特に歌の主人公の抱えている心の叫びの部分を音楽的に一手に担っている渡辺裕太による後半のギタープレイは必聴だ。そして通常盤収録のカップリング曲「Sing Along」は、ライブの終盤に活躍しそうなアンセム的一曲。会場全体で合唱している風景が目に浮かぶ。


 これまでのイメージを華麗に塗り替える「Good Luck!」を収録した今作。笑顔のジャケットデザイン含め、トータルでSixTONESの“カラフル路線”の決定盤と言えるだろう。(荻原梓)