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「ウルス ペルフォルマンテ」とは? ランボルギーニ首脳陣を直撃!

2022年11月11日 19:31  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
ランボルギーニ「ウルス」の新型「ペルフォルマンテ」が「Lamborghini DAY Japan 2022」に合わせて日本に上陸した。このクルマに一足早く試乗し、ランボのステファン・ヴィンケルマンCEOとチーフデザイナーのミーティア・ボルケルト氏に話を聞いたので、その模様をお伝えしたい。


○なぜ「ペルフォルマンテ」に?



イタリア・ローマで開催された、ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」の最新バージョン「ペルフォルマンテ」の試乗会。会場には同社のヴィンケルマンCEOとチーフデザイナーのミーティア・ボルケルト氏が来ていたので、このクルマについて聞いてみた。まずはCEOから。



――新型ウルスのサブネームとして「ペルフォルマンテ」が選ばれた理由は何でしょう? 「EVO」でも「テクニカ」でもなかったですね。



ヴィンケルマンCEO:ウルスの新バージョンを出すにあたって、名前のアイデアは2つありました。ひとつは「S」で、フェイスリフトなどでよく使う名前です。そしてもうひとつが「ペルフォルマンテ」でした。



今日試乗していただいたクルマについては、よりパワフルなものとして開発したので、ペルフォルマンテが最もふさわしい名前であり、正しい選択だったと考えています。



――今回の新バージョンは他メーカーの最新SUV、例えばフェラーリ「プロサングエ」のデビューなどの動向に左右されたものなのでしょうか。



ヴィンケルマンCEO:ひとつのモデルサイクルの中で、最低でも1回はアップデートというか、リモデルというか、ニューバージョンは出したいと思っていましたので、既定路線ではあります。ランボルギーニとしては単純なパワーアップというだけでなく、オーバーオール、360度のパフォーマンスアップを考えて世に出すことが、本社としてやるべきことだと思っています。それがメーカーとしての哲学であり、誇りなのです。ペルフォルマンテの初期生産分は完売状態なので、1年ほど待てば次のロットが手に入るはずです。オーダーするならなるべく早く、というところです。


○ペルフォルマンテの注目点は?

チーフデザイナーのミーティア氏は、ピット内のデスクで細いテープを使って切り貼りするウルスのドローイングを見せてくれたり、目の前で「ウラカン」「アヴェンタドール」「ウルス」の3モデルのデッサンを描いて見せてくれたりした。まさにこれは”マジックタイム”ともいえるような体験。ウルス ペルフォルマンテのデザインではどこに力を入れたのか。


――デザインスケッチには鉛筆を使って描くだけでなく、テープを使う方法があるのですね。



ミーティア氏:こればテープドローイングという方法です。いろんな太さのテープを使って切ったり貼ったりを繰り返すんです。CGがないころは、こんな“ベリー・アナログ”な方法でやっていました。下書きはなくて、テープだけ使って仕上げます。



――ウルス ペルフォルマンテで最も見てほしい場所はどこですか?



ミーティア氏:フロントの左右のコーナーに設置した、エアカーテンを発生させるサスペンションタイプのウイングですね。これがペルフォルマンテの最大の特徴です。ランボルギーニには3つのモデルレンジがあって、横からのシルエットを見るとランボだとわかります。ウラカンはショートホイールベース、アヴェンタドールはロングホイールベースで、後ろにパワーユニットがあるのでそこが強調されます。一方のウルスはフロントエンジンタイプなので、それらと同じようなシルエットの再現は無理ですけど、グリル部分が前かがみになっていてシャークのようなデザインになっています。デザインとしてはシルエットが1番、2番目がミッション(用途)で、サーキットトラック用かデイリーユースなのかなどによって変わってきます。


――ペルフォルマンテらしさとは?



ミーティア氏:「ドライビングエモーション」「アドベンチャー」「デイリーユース」といった3つの方向性に沿いつつパワーアップし、さらにはライトウェイトで、スマートなエアロダイナミクスがあるところです。ペルフォルマンテではカーボンファイバーやマイクロファイバーなど軽量な素材を多用していて、そのおかげでラップタイムが速くなっています。開発時には技術者とデザイナーがチェックリストのような膨大な数値とにらめっこして、エアロダイナミクスを向上させていく必要がありました。



――ゼロからデッサンを描く様子は、魔法のようでした。



ミーティア氏:やっぱりブランドの責任者として、ランボルギーニデザインのDNAが、例えば真夜中にたたき起こされてもちゃんと答えられる、一言で定義できるというように、常に頭の中にあることが必要です。仕事の結果としては、ジャーナリストだけでなく、普通の人が見てもすぐにランボルギーニだとわかるようなものを作っていきたいと思っています。



原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)