2022年11月11日 17:11 弁護士ドットコム
名古屋市は、エスカレーター利用の際には歩かないで立ち止まるよう利用者に義務付けた条例の施行を目指している。2023年10月から施行予定で、埼玉県に続いて全国で2例目、政令市では初となる。
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市の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して「埼玉県の条例がきっかけとなりました。名古屋市でも利用者の方々にエスカレーターの安全な利用をしていただきたいと考えています」と話している。
名古屋市が検討している条例案は、利用者に「エスカレーターは止まった状態で利用しなければならない」と義務付ける。また、駅や商業施設の管理者に対しても、周知することを義務付ける。罰則は設けない。
市生活消費課によると、2021年度に市内のエスカレーター関連の事故で救急隊が出動した件数は133件だった。また、名古屋市が今年4~5月に駅など10カ所のエスカレーターで調査したところ、21%が歩いたり、走ったりしていたという。
担当者は「エスカレーターの歩行は安全上に問題があります」と話す。
全国に先駆けて、2021年10月から条例が施行された埼玉県では、施行前の2021年7月に県政世論調査を実施したところ、駅のエスカレーターで「歩いて利用した」人は27.6%、「立ち止まって利用した」人は51.0%だった。
一方で、「立ち止まって利用していた際、歩行での利用者に対して不快な思いをしたことがある」人は25.5%となった。「事故につながる恐れがあり危険だ」などと思っている人は6割以上だった。
市生活消費課の担当者は「他の都市と比較したデータはありませんが、東京の方から名古屋市民のエスカレーターの利用はマナーが良いと言われたことならあります」と言う。条例施行によって、さらなるマナー向上を目指す。