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そごう・西武が米投資ファンドに売却 ヨドバシHDがビジネスパートナーに

2022年11月11日 17:02  Fashionsnap.com

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西武のロゴ

Image by: FASHIONSNAP
 セブン&アイ・ホールディングスが11月11日、グループ傘下のそごう・西武を米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループ(以下、フォートレス)へ2023年2月1日付で売却することを正式発表した。ヨドバシカメラの持株会社 ヨドバシホールディングスがビジネスパートナーとなり、譲渡後の具体的な百貨店事業の事業運営方針についてそごう・西武と協議を行っていくという。

 そごう・西武は1830年に大阪で開業した「大和屋」が起源で、2003年に経営統合で生まれたミレニアムリテイリングを前身とする。セブン&アイは2006年にミレニアムリテイリングを2000億円超で子会社化。2009年にミレニアムリテイリンググループ、そごう、西武百貨店の3社の合併により現在の「そごう・西武」が誕生した。
 傘下に入ってからはプライベートブランドを積極的に展開。2016年には「リミテッドエディション(LIMITED EDITION)」でゲストデザイナーにカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)を迎え、イトーヨーカドーと共同開発したプライベートブランド「セットプルミエ(SEPT PREMIERES)」ではデザイナーのジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)や高田賢三とのコラボレーションを発表してきた。プライベートブランドの展開は2018年に終了した。
 近年は地方店舗を中心に閉鎖が相次ぎ、2006年から店舗数は28店舗から10店舗に減少している。そごう・西武の2022年2月期の実績は営業収益4568億4200万円、営業損失35億2700万円で、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり2期連続の赤字となった。こうした背景を踏まえ、「物言う株主」と呼ばれる米アクティビストのバリューアクト・キャピタルは今年2月にセブン&アイに対し、そごう・西武の売却などの事業運営を見直しを求める提案書を発表していた。
 フォートレスはソフトバンク系列の企業で、今年7月にはそごう・西武買収に向けた優先交渉権を得たと報道されていた。セブン&アイはそごう・西武の発行済株式のすべてをフォートレスの特別目的会社の杉合同会社に譲渡する。なお、そごう・西武の売却取引前にそごう・西武の子会社も譲受会社に異動する予定(※セブン CS カードサービスは協議の上で決定)だが、ロフトに関してはそごう・西武が保有する75.2%の発行済株式をセブン&アイに移管するという。譲渡価格は企業価値2500億円に、そごう・西武および同社子会社の純有利子負債や運転資本に係る調整などを行い、実際の譲渡価額を確定する。複数のメディアはそごう・西武売却後、ヨドバシカメラが旗艦店に出店する方向で調整していると報じている。
◇直近5年間の主な出来事 2016年 西武春日部店を閉鎖    そごう柏店と西武旭川店が閉店    PB「セットプルミエ(SEPT PREMIERES)」の終了を発表。 2017年 西武筑波店と西武八尾店を閉鎖    そごう神戸店と西武高槻店をエイチ・ツー・オー リテイリングに譲渡。 2018年 西武船橋店と西武小田原店を閉鎖    プライベートブランドの展開を終了 2020年 西武大津店、西武岡崎店、そごう徳島店、そごう西神店が閉店 2021年2月 そごう川口店を閉鎖