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「ミナ ペルホネン」皆川明が学生制服や看護師のユニフォームを初製作 トンボと協業

2022年11月10日 20:42  Fashionsnap.com

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トンボ 藤原竜也代表取締役社長(左)、ミナ ペルホネン デザイナーの皆川明氏(右)

Image by: FASHIONSNAP
 デザイナー 皆川明が手掛ける「ミナ ペルホネン(minä perhonen)」が、トンボとライセンス契約を締結した。11月10日に開かれた発表会ではコラボレーションアイテムとして、小学校・中学校・高校の制服のほか、介護士・看護師・施設入居者用ヘルスケアウェアを披露した。皆川が学生制服およびヘルスケアウェアを手掛けたのは初めて。

 ミナ ペルホネンとトンボは「不要なものは作らずに無駄な廃棄をなくす」という共通の価値観を持つ。「ここちよさを、ひとつずつ」をコンセプトに掲げ、誰からも長く愛されるユニフォームを目標とするトンボのモノづくりに対する姿勢が、皆川のサステナビリティに対する考えと合致しコラボが実現。異なるフィールドで活動してきた両社の協業では「未来につながる新しい価値観を持ったユニフォーム」を作ることを目指すという。
 小学校向けの制服は2スタイル、中学校・高校向けの制服では4スタイルを用意し、「節度と自由を感じさせる佇まい」をコンセプトにデザイン。いずれも共通のデザインとして、フロントの1番目のボタンをダブル、2番目のボタンをシングルの打ち合わせに仕上げ、柔らかな印象のフロントラインを作るとともに「節度」を表現した。「自由」ではオールジェンダーを意識し、ボディラインを強調しすぎないゆったりとしたシルエットを設計したほか、女子生徒はスカートとパンツの両方から選択できるようにした。
 小学校向けのジャケットでは、テーラードカラーではなくノーカラーの変形に仕立て、暗い場所でも視認性が保てるグレーカラーを採用。ブランドの象徴でもあるオリジナルの蝶の刺繍も施した。中学校・高校向けの制服では、生地の縦糸と横糸に僅かな色の違いを持たせるなどで従来の制服と異なる表情を持たせた。コラボ制服は2024年度4月の新入生分から販売し、初年度の採用目標は5校としている。

 ヘルスケアウェアは、「介護する人にとって快適であること、介護される人にとって安心であること」をコンセプトに、介護施設従事者用のニットシャツ(9000円)やパンツ(9000円)などのほか、施設入居者用のシャツ(8000円)とパンツ(7000円/全て税込)を展開。従業者用のアイテムは気持ちが明るくなるビタミンカラーや心が落ち着くと言われるブルーなどをラインナップし、入居者用アイテムはシャツの胸元にギャザーを入れるなど柔らかい印象に仕上げた。2023年4月に一部介護施設、病院向けの販売を予定しており、2024年から一般向けにも販売していく計画だ。

 発表会に登場した皆川は、初めて学生制服を手掛けたことについて「オールジェンダーというテーマを持ちながらも『男性らしさ、女性らしさ』も大事なポイントだと思ったので、バランスを取ることを心がけた。全ての多様性を受け入れる制服とは何かと考えながら製作した」とコメント。「今後も新しく制服、ヘルスケアウェアを企画していけたら」と話し、コラボ第2弾以降の製作にも意欲を見せた。