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資生堂の新社長COOに藤原常務が昇格 魚谷社長は代表権のある会長CEOに

2022年11月10日 17:22  Fashionsnap.com

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2023年1月1日付けで代表取締役社長COOに昇格する藤原憲太郎氏(左)、代表取締役会長CEOに就任する魚谷雅彦氏


 資生堂が2023年1月1日付で、代表取締役社長COOに海外事業に精通する、常務 中国事業担当の藤原憲太郎が昇格する人事を発表した。代表取締役社長CEOの魚谷雅彦氏は、代表取締役会長CEOに就任する。藤原氏については、2023年3月開催の定例株式総会での取締役選任決議を経て、その後の取締役会において選任予定。

 藤原氏は、1991年に香川大学大学院修士課程修了後、資生堂に入社。ドイツをはじめフランス、韓国、日本での経営戦略などを経て、2015年から中国地域で活動、統括してきた実績が認められ社長COOへの就任となった。
 魚谷氏は「私の任期を2024年末までとする従来の方針にあたり、3年前から指名・報酬諮問委員会、社外取締役などと後任候補の選任を進めてきた。結果、全員一致で藤原氏の社長COO就任が決定した」と語る。
 藤原について魚谷氏は「候補者を社内人員から優先的に選ぶことを前提に、複数の人材でリーダーへの育成を進めた中で、企業使命『BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)』および、経営理念『ピープル ファースト』の価値観への理解が深い人物だった。また入社以来、欧州、韓国、中国事業に従事し、多様な文化や人材との交流を経験してきたことは、今後の資生堂の更なるグローバル事業の発展に貢献できる」と語った。海外事業では、2016年に資生堂 執行役員、資生堂(中国)投資有限公司 総経理に就任後、最先端のデジタル事業の知見を深め大きな事業成長を推進、1万人近い大規模な組織運営を行なってきた。さらに「これまで8年にわたり、直接的に仕事をしてきた中で、私自身が掲げている『現場現実主義』を共有し、信頼できる経営人材であると確信した」と述べ、今後2年間、二人三脚で並走することにより経営体制を強固なものとするとともに確実な継承を行う。
 藤原氏は社長就任にあたり、「海外事業の売り上げシェアが10%にも満たないころから海外事業に携わり、資生堂が世界中の多くの人々に美を持って喜びと感動を与える特別な企業だと体感してきた」と資生堂が持つ素晴らしい価値について表現。それを踏まえ、欧州で数名で立ち上げたトラベルリテールを、アジアを代表するプレステージブランドとして主力事業に育て上げた経験や、さらには中国でのデジタルを生かした事業オペレーションの転換による売り上げ倍増の実績を積み上げてきた。
 社長就任後は、「『BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)』を企業使命とする資生堂が、化粧品の機能的価値だけでなく、喜び、感動など人々の幸せに貢献できるすばらしい企業である、この価値創造を進化させることこそが、資生堂150年の歴史で培ってきた強みであり、企業の持続的成長を約束するものと考えている」と述べた。
 具体的には、「長年の海外経験から、日本事業を強化・成長させることが重要」とし、資生堂ジャパン社長CEOの直川紀夫氏とともに推進していく。「国、文化を超えて、ともに未来に向かう仲間がいる。世界情勢は変化が激しく、複雑な時代ではあるが、資生堂の強みをより進化させ、高い品質の商品開発やサービスにおいて価値創造し、世界で勝てるグローバルビューティカンパニーを目指す」と意気込んだ。
 藤原氏は、1966年12月21日生まれ。岡山県出身。1991年香川大学大学院修士課程を修了後、資生堂に入社。広島支店を経て1994年からドイツ駐在、ヨーロッパで活動後、2005年に本社経営企画部に異動。2011年に韓国での社長を経て、日本に戻り経営戦略部長などを歴任。2016年に資生堂 執行役員、資生堂(中国)投資有限公司 総経理、2018年から資生堂 執行役員 中国地域CEO、2020年から資生堂 エグゼクティブオフィサー 常務 中国地域CEO。