カレンダーを見ると「○○の日」と書いてあり、その日が何かの記念日になっていると気が付くことがあります。何かの日だと知るだけで、ちょっと今日が特別に感じて何かしたくなるもの。そんなときは、記念日に関係したマンガを読んでみるのはどうでしょう。本日11月10日は「トイレの日」。トイレを付け忘れた核シェルター、男子トイレに入っちゃった女子、便所飯……トイレを題材にしたマンガやエピソードを紹介します。
【大きな画像をもっと見る】文・構成 / コミックナタリー編集部
■ 室山まゆみ「あさりちゃん」(小学館)
□ 核シェルターになくてはならないもの、それはトイレ!
いつも明るく脳天気なあさりちゃんが、その日はめずらしく考えごと。世界のどこかでは戦争やクーデターが絶えずして起きており、いつか来るかもしれない核の冬は、平和な日本に住む自分にとっても他人ごとではない。そこであさりちゃんはタタミお姉ちゃんと、理想の核シェルターを考えることに。発電機に水と食料、ひまつぶしのマンガも用意して準備は万全!と思いきや、完璧と思われたシェルターに用意し忘れたものがあった。このシェルターには……トイレがない!? 仕方がなしにバケツをトイレ代わりにすることにしたあさりちゃんとタタミお姉ちゃんは、どんな結末を迎えるのか。普段はあって当たり前のトイレの大切さが身に染みるエピソード「考えるあさり」は、単行本30巻に収録されている。
「あさりちゃん」30巻 - 小学館コミック■ 水あさと「男子トイレで待ち合わせ」(KADOKAWA)
□ 誰も来ない男子トイレを居場所にしていた女子、でも実は隣の個室に……
今はもう使われていない男子トイレを「誰も入ってこない私だけの場所」にしている女子・阿波根ゆり。男子トイレに入っているという気まずさはあったが、このトイレがあるフロア自体そもそも誰も来ないことから、彼女は気兼ねなくそこに入り浸っていた。しかし、いつも通りの至福の時間を満喫してドアを開けると、隣の個室から見知らぬ男子生徒が出てきて!? 男子トイレにいるところを見られただけでなく、人がいるとは知らず用を足している音も聞かれてしまい、恥ずかしさに消え入りそうになる阿波根さん。しかしその日から、自分1人だけの場所だったトイレは2人の居場所になっていき……。鍵や壁によって内側のプライバシーが守られた場所でありつつ、同時に隣には誰かがいるかもしれないという、個室トイレに潜む内と外の二面性が「男子トイレで待ち合わせ」では描かれる。公共空間としてのトイレマナーについて考えさせられる1作だ。
「男子トイレで待ち合わせ」 - KADOKAWA■ 施川ユウキ・秋★枝「ハナコ@ラバトリー」(KADOKAWA)
□ マンガでは定番ネタの「便所飯」。けどリアルに考えると
トイレという場所に囚われつつも、いろんな場所にあるトイレに出没することができる幽霊“トイレの花子さん”を主人公とした「ハナコ@ラバトリー」。その第2話では、誰にも見つからないようトイレでお弁当を食べる幼稚園児に花子さんが遭遇し「便所飯なんて都市伝説だと思ってたけど」と、まだ若いのに孤独にトイレでご飯を食べている男の子に花子さんが呆れる様子が描かれる。マンガなど学校を舞台にした物語には、たびたびこの「便所飯」が登場する。これも個室トイレという場所が、外部と遮断された「プライバシーが守られた空間」として認識されている左証だろう。しかし衛生面から考えても、トイレで食事をするのはあまり推奨される行為ではない。マンガでは定番のネタとなっているが、花子さんの言うとおり「便所飯なんて都市伝説」であることが願われる。
「ハナコ@ラバトリー」公式試し読み - ComicWalker