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チャールズ国王、群衆の男から生卵を投げつけられる 「この国は奴隷の血で作られた!」

2022年11月10日 08:01  Techinsight Japan

Techinsight Japan

男から生卵を投げつけられたチャールズ国王(画像は『Clarence House 2022年7月20日付Instagram「We were in Torquay for day three of Their Royal Highnesses visit to Devon and Cornwall!」』のスクリーンショット)
チャールズ国王が英ヨークを訪問中、群衆の中にいた男から数個の生卵を投げつけられた。幸いにも卵が体に当たらなかった国王は、平然としたまま公務を続行した。男は警備に当たっていた数人の警察官に拘束され、警察車両で運ばれた。男は大学生だが、地元では左翼政治に関わることで知られており、あらゆる抗議運動で数回の逮捕歴があるという。

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チャールズ国王とカミラ王妃は、ヨーク・ミンスター(ヨーク大聖堂)に設置された故エリザベス女王の彫像の除幕式を行うため、現地時間8日から英北部のヨークシャー州にある街ヨークを公式訪問していた。

滞在2日目となる9日には、ヨーク市長から公式歓迎を受ける伝統儀式に参加するため、ヨーク旧市街への入り口である“ミックルゲート・バー”を訪問し、集まった群衆と握手や会話をして交流した。

夫妻はヨーク市のリーダー達からの歓迎を受けていたが、この時突然、群衆の中から国王めがけて数個の生卵が飛んできたのだ。それらは国王の体には当たらなかったが、目撃者によると全部で5個ほどの卵が投げられたという。

現地メディアによると、群衆の中にいた男は卵を投げながら、国王夫妻に向けてブーイングをしたという。男は数人の警察官にすぐさま取り押さえられたが、その間「この国は奴隷の血で作られたんだ! 俺の国王じゃないぞ!」と叫んでいたそうだ。男は警察官達によって地面に伏せられて拘束され、手錠を掛けられると警察車両に乗せられて運ばれていった。

現場に居合わせた群衆は「ゴッド・セイブ・ザ・キング!」と合唱し始め、男に向けて「恥を知れ!」と叫ぶ声も聞こえたという。

国王は投げられた卵を眺めていたものの、護衛の男性達に守られながら平静を装って歩き続けた。

英メディア『Daily Mail Online』『Metro』などによると、生卵を投げて抗議したのはパトリック・テルウェル(Patrick Thelwell、23)という名の男だった。

現在はヨーク大学国際関係学部の学生で、同大学のガーデニング協会の会長を務めている。自身のブログでは気候変動について記しており、2019年の地方選挙では「緑の党」の候補者として立候補したこともある。

地元では左翼政治に関わっていることで知られており、大学内で硬派な政治思想の顔役となった。この他にも環境保護団体「エクステンション・リベリオン(Extinction Rebellion/ XR)」のヨーク市支部やヨーク学生連帯ネットワーク、「The Citizen of Earth show」などを含む複数のグループの運営や、学生の家賃に対するストライキを組織していた。

彼はこれまでにさまざまな気候変動キャンペーンに参加し、少なくとも5回は逮捕されているという。

2020年9月には、「エクステンション・リベリオン」の活動の一環としてロンドン橋を封鎖したことが発覚し、500ポンド(約83,000円)の罰金を科された。また2021年6月には、ヨーク市内にあるバービカン・コミュニティ・センターを不法で占拠したため武装警官によって強制的に退去させられていた。



画像は『Clarence House 2022年7月20日付Instagram「We were in Torquay for day three of Their Royal Highnesses visit to Devon and Cornwall!」』『Sky News 2022年11月9日付Twitter「A man has been detained by police after appearing to throw eggs at the King and Queen Consort during a walkabout in York.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)