“子ども部屋おじさん”という言葉があるように、なんとなく世間的には肩身の狭い雰囲気のある実家暮らし。そのため、現在実家暮らし中の20代後半男性(千葉県/マスコミ系/正社員/未婚)は、
「田舎や昔の日本は結婚するまで実家暮らしも当たり前で、イタリアなどのヨーロッパ諸国でも30歳くらいまで実家暮らしはよく聞く。家族や祖父母の手伝いもできるので『一人暮らしでないと一人前じゃない』という社会の風潮が変わってほしい」
と切実に語る。男性は手取り18万6000円、年収300万円ほどで、「東京などの都心で一人暮らしするとなるとカツカツの生活になってしまうため、実家を出られない」のだという。(文:福岡ちはや)
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「年齢が上がるにつれ成長が求められる。もどかしい」
実家を出られないからといって、男性は自身の手取りに不満があるわけではない。「正直、20代で仕事のスキルも成果も今の給与以下のため、これ以上上げてくれとも言いづらい」と謙虚そのもの。
ではスキルを磨き、成果を上げ、給与を上げていく野心があるのか?といえば、それも違うようだ。男性は、
「40代の上司などを見ていると給与以上の働き、自己研鑽をしているように見えるが、いろいろな娯楽が安くで楽しめるなか、上司のように仕事、勉強ずくめにはなりたくないので、今の手取りでいいからまったりと働きたい」
と正直な気持ちを綴っていた。たしかに収入にこだわらず、仕事や勉強はほどほどにして、安価な娯楽で余暇を過ごす人生も楽しそうではある。一方で男性は、
「年齢が上がるにつれそういった成長(給与以上の働きや自己研鑽)が求められるので、正社員である以上そうともいかなさそうでもどかしい」
と現実的な認識も吐露した。“まったりと働く”ことは、高給を稼ぐことよりもずっと難しいのかもしれない。