ONE原作によるTVアニメ「モブサイコ100 III」の「神樹編」上映イベントが、11月5日に東京・グランドシネマサンシャイン池袋にて開催され、上映後のトークイベントに影山茂夫役の伊藤節生、蓮井隆弘監督が登壇した。
【大きな画像をもっと見る】現在TOKYO MXほかにて放送中の「モブサイコ100 III」。イベントでは第4話から第6話までが上映され、第6話のみTV放送に先がけて公開された。登壇後、蓮井監督が「お客さんに観ていただいてこれだけ熱気があると、熱くなってきちゃいますよね」と一言。それを受けた伊藤が「ちょっと暑いんで、壇上で失礼します……」とおもむろに衣装を脱ぎ始め、作中に登場するはげ散らかしモンキーのTシャツを披露すると会場は笑いに包まれた。
第5話で神エクボが金色になった経緯について聞かれると、蓮井監督は「基本的に色についてはキャラクターデザインの亀田さんを軸にいろんな意見を出してもらっていて。神エクボは(原作では)白かったので明るい色ではある、質感を考える際に“神”というワードの印象を受け金色がいいんじゃないかと思ってそうしました」と解説。伊藤が「実際にできあがった映像を見たとき、神エクボの歩く音にびっくりしました。動くたびにガシャンみたいな、質感的にメタリックな音で」と話すと、蓮井監督は「一応“金”をイメージして、神聖な、重々しい感じを出してみました」と明かした。
またモブとエクボの対話シーンについて、エクボ役の大塚明夫とのアフレコについて聞かれると伊藤は「VSエクボという形でやるのは1期の3話以来という、久しぶりな感じでした」と回答。「『(笑)』のときは敵対心じゃないですけど、(モブがエクボを)よくないものと認識しているタイミングでした。今回は知った仲だけど戦わなきゃいけないという部分があったので、新鮮で新しい感じでしたね」と話す。そして第6話では意思が宿ったおびただしい数のサイコヘルメットをすべて大塚が担当したことについて、蓮井監督は「明夫さん倒れないかなと心配になって。全部が大塚さん劇場でした。クレジットも驚異の少なさで(笑)」と吐露した。
第6話のラストでモブが家で泣くシーンについて聞かれた伊藤。「霊なので、本来なくなっているものじゃないですか。でもモブくんにとっては霊と人間はあんまり変わらないもので、目に映る世界に普通にあるもの」だと話し、「それが欠けてしまったのは、ある意味自分の知人が遠くに行ってしまったような感じだと思うんです。感謝と別れじゃないですけど、中学生にとっての別れの重さがあると思います」と語った。
続いて事前に募集していた視聴者からの質問コーナーへ。第3期第6話までで1番好きなシーンを聞かれると蓮井監督が「調子こきじゃないですか? モブが調子をこけるようになったんですよね」と回答。伊藤は同意しながらも「(第3期)第1話で担任の先生がモブの進路相談に対して信頼をおいてくれたシーンがめちゃくちゃ好きで。1期の第1話ではモブくん、授業の質問に答えられず怒られていたんですよ。普段積み重ねていった努力によってモブくんの周りの関係がどんどん変わっていくのが感じられます」と感慨深く述べた。
霊とか相談所にてたこ焼きを食べながら、中身のタコを出す芹沢について聞かれた蓮井監督は「あれは立川総監督のアイデアです(笑)。芹沢ははじめてたこ焼きを食べるから、中に入っているタコを目で確認して食べるだろうとおっしゃったんですけど、周りのみんなはドン引きしていました」と暴露。驚きの回答に会場から拍手が起こった。さらに「第5話で最初に(モブを)拍手で見送るシーンでは、肉体改造部だけ脇で拍手していて。あれも立川さんのアイデアです。さすがだなあと」と制作の裏側を明かした。
次の質問は演じる上で一番難しかったシーンについて。伊藤はお芝居自体に難しいことはたくさんあるとしたうえで、「モブくんとずっと寄り添ってきたので、ここが難しいとか簡単とかあんまり考えていなかったですね。第1期では真剣なシーンだと現場がその空気になっていたので、その空気感に引っ張ってもらった結果あんまり意識せずに臨めたんだと思います」と告白。蓮井監督は「第1期2期があっての3期なので、さらに新しいアイデアを出さないといけない。かつ意図的に第1期、2期を思い出してもらえるような、似たような演出をすることも多々ありました」と苦労を語る。「第1話だと構成的に特徴的な部分は拾っていて、“%”が出るとか、絵を第1期第1話と対になるように構成したりとか、モブと霊幻の立ち位置が第1期と比べて逆になったりとか。そういうところに気を使っていました」と述べた。
その後も2人はいくつかの質問に回答。いよいよイベントも閉幕に近づくといったタイミングで大塚からのメッセージが届けられる。大塚は来場してくれた観客に感謝しつつ、「(アフレコは)大変でございましたけど、存分に楽しませていただきました。これからはナレーションで参加させていただきますけど、来週の7話からもお楽しみにしてください」と挨拶した。そしてメッセージの最後に「茂夫、またな」と一言残した大塚。伊藤も「エクボ、またねー」とゆるやかに呼応した。
そしてイベントは伊藤からの挨拶で閉幕に。「こうやってお客さんの前でお話できる機会はうれしいので、またぜひ遊びに来てください! 7話以降も楽しんでいただければなと思います」と呼びかけ締めくくられた。
(c)ONE・小学館/「モブサイコ100 Ⅲ」製作委員会