8月下旬ぐらいに、どうあっても今年の収支がプラスに転じることはないだろうと悟った瞬間、「もういいや」という状態になってパチンコホールに足が向かなくなった松本ミゾレである。この間に、今までたまに通っていたホールが閉店してしまうなどという事態が2回起きた。
「ああ、残念だな」とか「もう1回行くべきだったなぁ」とか思わないこともないが、もうすぐ閉める店は釘も締めるので、行かぬが吉。これで良かったのである。
こういう事例は全国各地で頻発している。何と2021年度は、全国のパチンコホールの実に8.5%が閉店してしまったというのだ。(文:松本ミゾレ)
長引くコロナ禍の影響はやはり大きかった
矢野経済研究所が8月にパチンコ業界に関する調査レポートを発表している。それによると、2020年末に営業していた8778店舗のうち745店舗が2021年末時点で閉店した。2021年の閉店率は8.5%だった。
2019年までは閉店率は6%前後だったが、2020年には8.1%にまで上昇。新型コロナや遊技機の規制改正を受けての台入れ替えが影響したとしている。
いわゆる閉店ラッシュが相次いでいるということになるが、これに歯止めがかかるのはいつのことなんだろう。大手ばかりが残っていくという予想もあるが、大手であっても閉店するホールが出てきている。
スマスロ導入は負担だけど……
僕は、今後もパチンコ業界は厳しいと見ている。というのも、11月からはスマートパチスロの導入がスタートする。スマスロとは、今月21日から稼働が開始されるメダルレスの遊技機。ICカードでクレジットを管理するもので、基本的には従来のパチスロと同じような感覚で遊ぶことができる。
しかしホールからすると初期投資に大変なお金がかかってしまう。遊技機は毎回別売りだし、専用のユニットを設置するための工事も必須。スマスロ専用の島を作る必要があるため、導入することがそもそも困難という弱小店もあるだろうし。
まあ、スマスロの出荷台数は、初年は10~15万台程度とのことなので、そういうホールはそもそも導入を希望してもメーカーが応じてくれない可能性もあるが。
パチスロ周り一つでこの変わりよう。お金が掛かって掛かってしょうがないから、頭を抱えている関係者も多いだろう。さらに、2023年1月には、同じような仕組みのスマパチが導入スタートとなる。
これもまた専用ユニットの導入が必須となる。いちユーザーから言わせてもらうと「スマスロもスマパチも別にいらないよ」って感じなんだけど、一応スペック的にはユーザーの射幸心を煽れるという形になっている。現行機種よりも夢が見られる仕様というわけだ。
長引くコロナ禍と、それ以前から続く不況による遊技人口の低迷。これを打破するにはスマスロというカンフル剤の投入という決断は妥当とも感じる。実際今年も7月、8月でボロボロと店が潰れていった。休眠層を飛び戻すパンチのある台が必要な時期なのだ。
でも、射幸性をだんだん高めていって、それで規制が入ってという流れを何度も繰り返して今のような状況があるわけで、なんかこう心配になってしまうなぁ。大丈夫かなぁー。