歌手アーロン・カーター(享年34)が亡くなった翌日、英ロンドンでコンサートを行っていた「バックストリート・ボーイズ」がステージ上でアーロンの死を悼んだ。バンドのメンバーでアーロンの兄ニック・カーターはSNSで悲痛な胸のうちを吐露し、ステージでは悲しみの涙を流した。
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現地時間5日、歌手アーロン・カーターが自宅の浴槽で亡くなっているのが発見され、アーロンの死を多くのメディアが報じた。6日、英ロンドンのO2アリーナで『DNAワールドツアー』のコンサート中だったバックストリート・ボーイズは、ステージ上でアーロンの死に哀悼の意を表した。米誌『Us Weekly』などが報じている。
バンドのシングル『No Place』のパフォーマンス中、会場の大きなスクリーンにアーロンの追悼映像が映し出された。メンバーのケヴィン・リチャードソンは観客に向かってこのように語りかけた。
「この曲は家族について歌っているから、僕達にとってとても特別なんだ。」
ケヴィンはさらにこう続けた。
「昨日、家族の1人を亡くしたから今夜は少し心が重いんだ。コンサートの中でアーロンを称える瞬間を見つけたかったんだ。ニックの弟アーロン・カーターは昨日、34歳で亡くなった。彼は僕達の家族の一員だ。みんなの愛と願い、すべてのサポートに感謝するよ。」
ケヴィンの言葉を聞きながらステージ上で悲しみの涙を流すニック・カーターに、他のメンバー全員が歩み寄り慰めのハグをした。さらに「この曲を僕達の弟、アーロン・カーターに捧げたいと思います。彼が天国で安らかに眠れますように」とハウィー・ドローが述べた後、アルバム『DNA』(2019年)に収録されているアカペラソング『Breathe』を歌った。
またニックは、自身のInstagramでアーロンを亡くした悲しみについてこう記した。
「心が折れそうです。弟と僕の関係は複雑でしたが、弟に対する僕の愛は決して色あせることはありませんでした。僕はいつも、弟がいつか健全な道を歩み、最終的には彼が必要としている助けを見つけることができるという希望を持ち続けてきました。」
「僕達は時々、失ったものを誰かや何かのせいにしたくなりますが、ここでの真の悪は依存症と精神疾患なのです。誰よりも弟を恋しく思います。愛してるよ、チズ(アーロンのニックネーム)。これでやっと、この地上では決して見つけることができなかった安らぎを得ることができるね。」
アーロンとニックはここ数年関係が悪化していた。2019年「妊娠中の妻と胎児を殺す意思がある」とニックの家族に対して危険な言動がエスカレートしたアーロンは、ニックへの接近禁止命令が出されていた。弟を愛し治療を促していたニックだが、アーロンは「俺達兄弟の関係はもう終わりだ」と絶縁宣言をした。
アーロンは重い精神疾患を患いリハビリ施設に入所。兄との確執で精神的に苦しんでいたことも告白している。近年は顔に入れた巨大なタトゥーで精神状態を懸念する声もあがっていた。婚約者でモデルのメラニー・マーティンとの間に息子プリンスくん(Prince、11か月)が誕生したばかりの悲劇となった。
ニックはアーロンが亡くなったことで、2人のきょうだいを失ったことになる。2012年2月には、妹のレスリー・カーターが薬物の過剰摂取により死亡している。
画像2枚目は『Nick Carter 2022年11月6日付Instagram「My heart is broken.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 雨宮瑠亜奈)