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売上高の8割強が定価販売 ユナイテッドアローズの粗利率がコロナ前の水準上回る

2022年11月08日 08:11  Fashionsnap.com

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ユナイテッドアローズのロゴ

Image by: FASHIONSNAP
 ユナイテッドアローズが、2023年3月期上期の連結業績を発表した。売上高は574億円で、前年同期から13.9%増え、コロナ前の2020年3月期比では9割弱の水準まで伸長。売上総利益率は52.0%で、前年同期から2.8ポイント増、2020年3月期比では0.3ポイント増と、コロナ前の実績を上回る水準に回復しているという。

 単体売上高は519億円(2020年3月期比12%減 ※収益認識基準変更の影響を除外)で、売上総利益率は51.4%(同0.6ポイント増)だった。「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」や「ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ(BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS)」といった主要ブランドを抱えるレギュラー事業の売上高を定価販売とセール販売に分解すると、定価販売は2020年3月期比で95.3%まで回復した一方で、セール販売は51.2%まで抑制。定価販売比率は同10.3ポイント増の83.8%まで上昇している。
 その成果の裏には、2022年春夏シーズンから「売り方を大きく変化させた」ことにある。コロナ前までは余剰在庫をセールにかけて消化するのがファッション業界の通例でもあったが、同社はコロナを経て不用品番見極め在庫の適正化を進め、春夏シーズンでは春物のセールをなくしたという。
 店頭スタッフの接客時間の最大化も成功要因につながったと分析。経営スローガン「感動提供」に基づき、販売スタッフの業務負担を軽減し接客に注力できる体制を整えた結果、顧客からの感謝の手紙の数がコロナ前比でも300~400%に増えた。松崎善則副社長もこれらの施策には一定の手応えを感じているという。秋冬シーズンに関しては、出店先の商業施設の意向もあり、冬のセール撤廃は難しいが、従来2月ごろまで行っていたセールを1月中に終わらせるなど短期化を目指す。
 また、コロナ禍で休止を余儀なくされていたフィジカルでの販売スタッフの育成を年明けから再開。販売員の評価制度や教育プログラムを現在調整している段階で、今年10月に発足したSNS専任チームとの連携を図りながら、接客以外の部分の貢献度を可視化していくという。
■ユナイテッドアローズ 2023年3月期第2四半期実績(累計)売上高:574億5300万円(前年同期比13.9%増)営業利益:13億8500万円(前年同期は営業損失26億4800万円)純利益:10億7400万円(前年同期は純損失19億9400万円)