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チャールズ国王は40代でもテディベアを溺愛していた 孤独な子供時代と寄宿舎での「地獄のような」いじめが関係か?

2022年11月06日 07:51  Techinsight Japan

Techinsight Japan

寄宿学校時代に壮絶ないじめを受けていたチャールズ国王
チャールズ国王(73)には幼い頃から大切にしてきたものがある。それは、くまのぬいぐるみ“テディベア”だ。幼少期からの友であり、チャールズ国王は我が子同様にテディベアを大切にしており、その愛着は国王が40代になってもなお強く、当時はテディベアにお世話係までつけていたという。国王はなぜこれほど“テディベア”に愛着を持っていたのだろうか? どうやらその背景には、チャールズ国王が味わった「地獄のような」いじめや「心が痛むほどの」孤独感があったようだ。

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今月8日に発売される米作家クリストファー・アンダーセン(Christopher Andersen)著書の伝記『国王:チャールズ3世の生涯(原題/The King: The Life of Charles III)』にて、チャールズ国王の幼少期から青年期について明らかになった。英メディア『The Daily Star』が報じている。

チャールズ国王にとってテディベアはとても貴重な存在だったという。信頼できる補佐官、そしてチャールズ皇太子(当時)の身の回りの世話役であったマイケル・フォーセットさん(Michael Fawcett)は、このテディベアの世話も担当しており、常にテディベアの居場所を把握していたそうだ。

マイケルさんによると「このテディベアに修理が必要になったとき、それをすることができるのはたった1人の人間だった」という。

マイケルさんは本の中でこう明かした。

「チャールズ皇太子(当時)のテディベアに針と糸を使うことを許されたのは、王室の元乳母メイベル・アンダーソンさん(Mabel Anderson)だけでした。皇太子は40代に差し掛かっていましたが、テディベアの修理が必要になるたびに、自分の子供が大手術を受けているのかのように心配していましたね。」

メイベルさんは、乳母を引退した後も修理のたびに呼び出されていたという。

またクリストファー氏は本の中で、チャールズ国王が「完全な地獄だった」と語ったスコットランドの寄宿学校時代に壮絶ないじめがあったことを明かし、こう記している。

「国王が経験したことは、本当に驚くべきことです。少年時代、青年時代、国王は年上の生徒から日常的に殴られ、裸でシャワー室に吊るされ、冷水をかけられ、そのまま放置されていたのです。」

クリストファー氏はさらに続けた。

「チャールズ国王は両親であるエリザベス女王とフィリップ王配に、どうか自分を学校から連れ出してほしいと懇願する手紙を書きました。これらの行為は今の基準で言えば、はっきり言っていじめか児童虐待に近いのですが、国王の両親は見て見ぬふりをしたのです。それは国王のなかに、激しい恨みを生み出したと思います。」

クリストファー氏によると「幼少期のチャールズにとって両親と過ごせる時間は非常に限られており、親子の時間はほぼ無いに等しかった。足首を骨折して入院したときも、扁桃腺を切除したときも、両親は彼を見舞うことさえなかった」という。

また母親は冷たく、特に父親はいじめっ子で、他人の前でもチャールズ国王を泣かせたり、身体的に痛めつけたりしたそうだ。「チャールズ国王は冷え切った家族関係のなか心が痛むほど孤独だった」とクリストファー氏は主張している。

心身ともに傷ついたチャールズ国王がテディベアを抱いて毎晩眠りについたことは想像に難くない。孤独だった国王が心を開き、心のよりどころとなったであろうテディベア。大人になっても愛着を捨てられないほど国王にとってテディベアの存在は大きかったといえるのではないだろうか。


ちなみに1990年代にバッキンガム宮殿で働いていたシャーロット・ブリッグスさん(Charlotte Briggs)によると、国王の弟アンドルー王子もテディベアを大切にしており「所有していた72体を寝室の周りの決められた位置に正確に配置していた」という。
(TechinsightJapan編集部 雨宮瑠亜奈)