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福原愛さん、不倫相手の元妻から「不貞慰謝料」と「離婚慰謝料」を請求される…違いは?

2022年11月04日 17:31  弁護士ドットコム

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卓球選手の福原愛さんが不倫相手の元妻から慰謝料請求を起こされたと文春オンラインが11月1日、報じた。


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福原さんは台湾の卓球選手・江宏傑さんと結婚していたが、福原さんの不倫が報じられ、数カ月後の2021年7月に離婚していた。文春オンラインによると、福原さんの不倫相手とその妻も、21年11月に離婚が成立したという。



文春オンラインによると、不倫相手の元妻は福原さんに対し、不貞行為に対する精神的苦痛として300万円、離婚に対する精神的苦痛として500万円など計1100万円の慰謝料を請求しているという。



今回報じられたように、不倫が原因で離婚に至ったとされる場合、離婚と不貞の慰謝料を、それぞれ別に請求することはできるのだろうか。山口政貴弁護士に聞いた。



●「不貞慰謝料」と「離婚慰謝料」の違いは?

——「不貞慰謝料」と「離婚慰謝料」に違いはあるのでしょうか



不貞行為(不倫のこと)の慰謝料と離婚の慰謝料とは似ているようですが、法律上は別のものです。



不貞慰謝料とは文字通り、不倫をされたことにより苦痛を被ったことに対する慰謝料です。この不貞慰謝料は、不倫をした2名の連帯責任となり、慰謝料を請求する場合は2人のうちいずれに対しても慰謝料を請求することができます



福原さんのケースで言えば、福原さんの不倫相手の妻は、自分の夫に対して慰謝料を請求してもいいし、福原さんに対して慰謝料を請求してもいいし、両者に慰謝料を請求してもいい、ということになりますが、今回はあえて福原さんのみに慰謝料を請求したものと思われます。



しかし、福原さんのみが請求された場合でも、福原さんが不倫相手とされた男性(原告の元夫)に対して、慰謝料を一緒に支払うように求める(求償)ことはできます。



一方、離婚慰謝料とは、不倫が原因で夫婦関係が破綻して離婚した場合に、離婚によって苦痛を被ったことに対する慰謝料です。



不倫をしても夫婦は必ず離婚するわけではなく、不倫が発覚しても離婚しない夫婦もいます。離婚しなければ当たり前ですが離婚慰謝料は発生しません。



●原則として離婚の慰謝料は不倫相手には請求できない

——離婚慰謝料を不倫相手に請求できるのでしょうか。



離婚慰謝料を、自分の配偶者だけではなく配偶者の不倫相手にまで請求できるかという問題ですが、最高裁の判例があります。「不倫をしてあえて離婚させよう」などという意図がない限り、原則として離婚の慰謝料は不倫相手には請求できないとされました。



この考え方からすれば、元妻の福原さんに対する請求は、不貞慰謝料の請求は認められることになりますが、福原さんの方で「あえて離婚させてやろう」という意図がなければ、不倫慰謝料については認められないことになります。



いずれにせよ、不倫の代償は高くつきますので、不倫は絶対にやめましょう。




【取材協力弁護士】
山口 政貴(やまぐち・のりたか)弁護士
サラリーマンを経た後、2003年司法試験合格。都内事務所の勤務弁護士を経験し、2013年に神楽坂中央法律事務所を設立。離婚、婚約破棄等を専門に扱っており、男女トラブルのスペシャリストとしても知られる。

事務所名:神楽坂中央法律事務所
事務所URL:http://www.kclaw.jp/index.html