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「ぱっと見普通、履くとハッとさせられる」ランニングシューズの実力を体感

2022年11月02日 07:01  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
「山トレ、25km+14km完走しました」「50過ぎてシーカヤック練習しています」など、フェイスブックで体力自慢するおじさんいますよね?



実は筆者も「10年以上ジムでトレーニングしています」と心の中では日々投稿。勝手に「編集部の筋肉担当」と自ら位置付けし、体力自慢できる取材機会を虎視眈々と狙っていたのです。



そこに舞い込んだのが、ランニングシューズ「ブルックス」の新製品お披露目会&体験ランニングイベントでした。ラン中の雄姿を記事で紹介し、見た人から「いいね!」がたくさん付くかも! と期待しながら、戦いの舞台となる茅ヶ崎へ向かったのです。


○場違い感半端ない



茅ヶ崎駅から海岸までの約6キロを走破するというこのイベント、筆者の浅はかな期待は他の参加者たちの「鍛え抜かれた足」を見て木端微塵となりました。



服装も完全にガチな感じで、上下とも機能性の高いウェアで統一された「選ばれた人」オーラで圧倒される。なに、この場違い感、聞いてないよ……。


こちらはランニングマシンで週1回程度、レベル違いは明白。ガクブルな筆者でしたが、幸いなことに、「ガチ猛者集団」「エンジョイ集団」にグループ分けされたので、筆者は当然のごとく後者にエントリーしましたとさ。


11月1日に発売された「Ghost15(ゴースト15)」(1万6,500円)が配られ、履いてみたところ、「あれれ、なんか普通だね」というのが第一印象。最新モデルを履いた時に抱く「テクノロジー感」があまりない! これは走り出してからも変わりません。


○普通だけど何か違う



走り始めても最初の感想は変わらず。その反面、「足に不釣り合いな感覚」もあまりないのです。また新しいシューズ特有の硬さもあまり感じず、足なじみが良いような。この理由は後に分かりました。



なおスペックシートでは、「アップデートした独自のクッション素材『DNALOFTv2』によるソフトな履き心地」「接地から蹴り出しまでのスムーズな走り心地」「3Dフィットプリントにより高まったフィット感」などが特徴として挙げられていますね。


すると、筆者と並走していた、ブルックスの総合販売代理店アキレス シューズ事業部 第二販売部 アスレチック販売課 課長 栗岩克明さんが「今回のランニングで体感してもらいたいですが、このモデルはノーストレスシューズで非常に履きやすいのが特徴です。あとワイズも広めなんです」と補足説明してくれました。



確かに初めて履いたシューズなのに、違和感なくスッと走れているのがその証しかも。例えばいわゆる「厚底シューズ」だと反発力はすごいのですが、それをコントロールするのも一苦労。ランナーにもその性能を引き出すスキルや体力が求められる気がします。



その点、このシューズは「普通なところが逆にいい」といえるのでしょうね。ガチのマラソン好きから、筆者のようなゆるラン派までカバーする実は優れもの!?

○富士山を見て感激



そうこうしているうちに折り返し地点である海岸に到着。普段の自分のペースで走れたので、息切れもせず、ジムのトレーニング時と同じ強度で走ることができ一安心の筆者でした。


しかも遠くには雪化粧された富士山が神々しい姿を見せる! これは嬉しいご褒美ですねー。


思いがけず富士山を拝めて、気分を良くした単純な筆者、「せっかくの機会だし、ガチメンバーたちの走力を少し体験してみよう」と気が大きくなっていたので無謀な挑戦を試みたのです。今考えるとクレイジーとしか思えない所業ですね。


当たり前のように早々にグループから脱落し、何とか見失わないように必死でついていくことしかできない羽目に……。


幸い、先導してくれた、アキレスリテール 平田ひよりさんが後ろに下がってきてフォローしてくれたので何とか最後まで走りきることができましたが、同じシューズを履いているとは思えない差でした。



そんな印象を平田さんにも伝えると



「アップデートでフィット感が高まり、軽さを強く感じることができると思います。足のアーチにフィットし、体の重心がシューズに真っ直ぐ乗るので、フルマラソンで完走する人はもちろん、これから走り始めてみる人、ジムで筋トレする人などランニング以外にいろいろな人に使ってもらえるモデルでしょうね」



と太鼓判を押しています。



「ぱっと見普通の感じ。履いてみるとハッとさせられる」「いい意味で昔らしさがある」シューズだそうです。ホテルに戻り、改めて栗岩さんに本製品の位置付けや、ブルックスの強みについて話を聞くことにしました。

○ブルックスの強みはラストにあり



――癖が無く履きやすいシューズだったな、というのが走ってみての感想です。ご自身はその辺りをどう捉えていますか。



栗岩さん「このモデルは『万人に受け入れられるシューズ』です。レースで1分1秒を争う時に履くのではなく『RUN HAPPY=いろいろな人が履いて走ることを楽しむ』という理念がその象徴かと思います。あと、アメリカではランニングシューズというくくりだけでなく、年配の方がウォーキングシューズとして使っているケースもあります。履きやすさもですが、デザイン的にスポーティーなので近所を散歩する一足に選んでもらっているようです」。


――ブルックスというシューズブランドの「良さ」は何だと思いますか。



栗岩さん「ブルックスは元々がスポーツシューズブランドでしたが、近年はランニングシューズのみにこだわって、ものづくりする企業です。使う素材も良いものを採用していますが、中でもラスト(木型)は特にこだわっていますね。100年を超える歴史があり、『かかとの入り方』などその研究や蓄積したノウハウは相当で、ここは一番だといえるでしょう」。



筆者は革靴好きですが、確かにラストの違いで「足に合う、合わない」はハッキリと分かります。例えば革靴ブランド、オールデンの有名な「モディファイドラスト」。適正サイズで履くと本当に歩きやすく、筆者も愛用しています。それだけ靴にとってラストは大事な要素なんですよね。



最初にGhost15を履いた時に感じた「足なじみの良さ」は、その辺りも大きいのでしょうか。



さらに栗岩さんが所属するアキレスは素材メーカーですが、実は子ども向けシューズ「瞬足」などの自社ブランドのシューズを開発・販売もしているので、求める基準は高いでしょう。そのプロ目線から「一番」といえるのはかなりのものだと思います。



ちなみに栗岩さん、「ブルックスのラストを採用した瞬足を出せたら楽しいでしょうねー(笑)」とも冗談めかして言っていました。



いい話だったなーと思いつつ、「まったく走りでは歯が立たず」という結末じゃあ「いいね!」は期待できないよね、、と帰りの電車で気付きましたよ。(金井唯)