厚生労働省の推計では、2040年度には介護人材が約69万人も不足するとされている。そのため介護人材の確保が急務だが、業界の待遇は決して良いとはいえないようだ。福祉介護職の30代前半女性(鹿児島県/正社員/未婚)は、現在の手取り15万5000円に不満を抱いており、
「求められるものが多く、責任が増えるが給料は増えない。結婚願望はなく子どもも欲しくないが、一生1人で生きていくにはあまりにも少ない給料」
「どうも労働と給料が見合っていない」
と訴える。(文:福岡ちはや)
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「報われる何かがないと継続して働くことは困難だ」
介護の仕事には体力や腕力がいる。そのため女性は「年金もらう年齢が上がっていくなか、その歳まで介護をするのは厳しい」と不安を口にした。
「それまで貯金をしなければならないが、今の給料では老後2000万円問題(を解決するの)は夢のまた夢。認知症の高齢者がその人らしく生活していくには必要な仕事ではあると思うのだが……。報われる何かがないと継続して働くことは困難だ」
女性は、介護職の薄給は「結果、人手不足や虐待につながる」と懸念する。また、介護職の待遇に不満があるのなら「転職すればいい」という声に対しては、
「歳を重ねるにつれ職種を変えるのは怖いことなのでは。現に私はまた新しいことするのかと転職が億劫。今は仕事のやりがいだけでなんとか続いている状態」
と本音を綴った。“やりがい”だけで仕事を続けられる人がどれほどいるだろうか。介護業界全体の待遇改善が求められる。