気温19度、路面温度30度というコンディションで迎えた第9戦決勝。予選時よりもやや強い風を感じるなか、ポールシッターの野尻はポジションをキープしたまま1コーナーを通過したが、フロントローの宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)は出遅れてしまう。3番手スタートの大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が宮田をかわして2番手に浮上、その後ろについたのが、こちらも抜群のスタートダッシュを切った笹原だった。大湯と笹原の2台はオープニングラップからサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げたが、4周目に入ったホームストレートでオーバーテイクシステム(OTS)を作動させた笹原が大湯をかわして2番手に浮上した。
オープニングラップは随所で激しい戦いが展開された。坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)の5番手争いは、日立Astemoシケインで関口がいったん坪井をとらえるも、クロスラインをとった坪井が再びポジションを取り戻す。関口は3周目のシケインで再び坪井に並びかけると、今度はホームストレートでOTSを作動。今度は完全に坪井を抜き去り5番手に浮上した。
TEAM MUGENの2台は1秒前後の差をキープしながら、徐々に3番手大湯以降を突き放していった。野尻を攻略するところまではなかなか差を詰められなかった笹原は、ピットウィンドウが開いた10周終了時点でいち早くピットイン。チームは7.3秒というタイムで笹原を送り出した。わずかに作業が遅れ、同じタイミングでピットインした大湯にピットロード上で迫られる場面もあったが、コース復帰するとアウトラップでプッシュ。大湯との差を広げて後半スティントに入った。
最後までタイヤ交換を遅らせていた平川亮(carenex TEAM IMPUL)が27周を終えてピットへと舵を切り、これで笹原が名実ともにトップに浮上する。野尻との差は5秒ほどに広がっていたが、残り4周でさらに8秒以上まで広げる快走を見せ、堂々のトップチェッカー。第6戦富士大会に続き、今季2勝目をマークした。