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今日は何の日?~マンガで覚えるたのしい記念日~ 第17回 10月29日は「インターネット誕生日」

2022年10月29日 10:02  コミックナタリー

コミックナタリー

「インターネット誕生日」ヘッダー
カレンダーを見ると「○○の日」と書いてあり、その日が何かの記念日になっていると気が付くことがあります。何かの日だと知るだけで、ちょっと今日が特別に感じて何かしたくなるもの。そんなときは、記念日に関係したマンガを読んでみるのはどうでしょう。本日10月29日は「インターネット誕生日」。友達と気軽に連絡が取れたり、家から一歩も出ず買い物ができたり、インターネットはとっても便利。インターネット最高!──だけどその便利さがトラブルのもとになることも。マンガを読んで今日は、インターネットについて考えてみては。

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文・構成 / コミックナタリー編集部

■ 華倫変「高速回線は光うさぎの夢を見るか?」(太田出版)
□ 自殺するまでの100日間をインターネットで動画配信した少女・光うさぎ
「私はあと100日後自らによって死にます」そう宣言し、自殺するまでの日々を記録した動画をインターネットで公開する少女・光うさぎ。「有名になれるかな?」「といっても別に功名心ないけどね」と初めは明るく振る舞っていたが、自分が誰にも注目されていないことがわかると「私が何したって誰も気にしない」と、むなしさを吐露し始める。自分がいなくなったあと露頭に迷うであろう飼い犬・ネチケを思って泣き、「まだこいつ、死んでないの」など掲示板の冷たい書き込みにもさらされ、どんどん不安定になっていく少女の精神状態──2002年の発表から、今年で20周年を迎えた「高速回線は光うさぎの夢を見るか?」。「どうすれば私のことみんな忘れないでいてくれるの?」と泣いていた光うさぎのことを、あなたはまだ覚えていますか?

「高速回線は光うさぎの夢を見るか?」書籍情報 - 太田出版

■ 詩原ヒロ「オンラインの羊たち」(ヒーローズ)
□ 1999年──あの頃、僕たちはインターネットで繋がった
時代は1999年。マイナーゲーム「クリスタルランド(クリラン)」の話ができる相手はどこかにいないものか……そんな悩みを抱えていた田舎の女子中学生・めぐが、パソコンとインターネットに出会ったことから「オンラインの羊たち」は始まる。これまで自分の周りでは誰も知らなかった「クリラン」のファンサイトが存在し、そこにいけば数多くの同志とゲームの話で盛り上がれることを教えてもらっためぐは、どんどんインターネットにのめり込んでいく。人が一斉に集まるテレホーダイの高揚感、怪しいURLを踏んでしまい“ブラクラ”に遭う恐怖、オフ会への期待と緊張感……。インターネットの楽しさ、むずかしさが描かれた同作はまさに「インターネット誕生日」に読みたい1作だ。

「オンラインの羊たち」公式試し読みページ - ふらっとヒーローズ

■ 水沢悦子「ヤコとポコ」(秋田書店)
□ インターネットがなくなった世界は不便? それとも……
少女マンガ家のヤコと、ロボットアシスタントのポコ。仕事でロボットを使う人はだいたい「かんぺき」モードを選ぶけど、ヤコはその一回しかできない初期設定でポコを「てきとう」モードにした。そんなポコは原稿に貼るトーンの番号を間違えたり、ゲーセンで遊びたがったり、ロボットとは思えない仕事ぶり。「ぼくがかんぺきモードだったら」とポコはよく話すけど、ヤコはそんなことは気にしない──というのんびりとしたやさしい物語が展開される「ヤコとポコ」の舞台は、なんと通信革命が起きてインターネットが廃止された世界。調べ物を検索するのも人力で時間がかかり、行き先がわからないときは街角に立つ“マップさん”に周辺地図をもらわなければならず、とても不便そう。しかし昔を知る書店のおじいさんは「人と人の距離感がめちゃくちゃだったな」「便利だったけどワシは今のほうが好きかなぁ」と、通信革命前の時代より今がいいという。「かんぺき」や「便利」が本当にいいことなのか、インターネットが暮らしになくてはならない存在となった今だからこそ「インターネットがなくなった世界」も考えなくてはならないのかもしれない。

「ヤコとポコ」1巻 - 秋田書店