Text by CINRA編集部
毎週更新のCINRAプレイリスト「Songs We Dance To」。ロック / ポップ、インディ、ヒップホップをはじめ、実験的なエレクトロニックミュージックからK-POPまで、ジャンルレスに選曲したプレイリスト(2022年10月26日週更新)から、編集部員が特におすすめしたい楽曲を紹介します。
昨年10月にリリースされたD.A.N.のアルバム『NO MOON』のリミックスシリーズ第2弾は、細野晴臣がリミックスを手がけた。『NO MOON』のリミックスシリーズ第1弾として、Corneliusが手がけた“No Moon [Cornelius Remix]”が今年8月にリリースされている。さらに11月以降は毎月連続リリースを予定しており、Fumiya Tanaka(Sundance、Perlon)による“Anthem”、Silent Poetsによる“The Encounters”、Stones Taroによる“Overthinker”がラインナップ。
先日、ライブ活動の休止を発表したばかりのD.A.N.。かねてより細野晴臣からの影響を公言していたため、今回のリミックスはメンバーもファンも大歓喜の一曲だ。今年いっぱいで一旦区切りとなるD.A.N.の活動に注目したい。(川浦慧)
サウスロンドンを拠点に活動するシンガーソングライターでマルチ奏者のルシンダ・チュア。イギリス、マレーシア、中国にルーツを持つアーティストで、FelixのメンバーとしてKrankyから2枚のアルバムをリリースしたほか、USアンビエントミュージックのレジェンド的存在であるStars of the Lidのツアーメンバーとして参加。2019年にセルフプロデュースしたソロ作をリリースしたのち、FKA twigsのツアーメンバーに抜擢されるなど、着実にキャリアを積み重ねてきた。2023年には4ADから1stアルバムをリリースする予定だ。
セルフプロデュースによる新曲“Golden”は、日常のなかでふいに訪れる静謐な一瞬を音像化したかのような楽曲。チュア自らのシルキーな歌声や、自ら演奏したストリングスが美しい。
ミュージックビデオは映像作家のタシュ・タングとコラボレーションしてつくられたもので、この映像の制作についてチュアは「東アジア・東南アジアの人材が大半を占めるキャストやクルーと一緒に仕事をしたことは、私のプロとしての人生で初めて、自分がマイノリティーでなくなった瞬間でした」と語っている。(佐伯享介)
Billy Nomatesはイギリス・メルトンモーブレー出身のシンガーソングライター、トーア・マリーズによるソロプロジェクト。2020年にPortisheadのジェフ・バーロウがプロデュースしたデビューアルバム『Billy Nomates』をリリースし、その後Sleaford Modsのシングルにもフィーチャリングされた。ポストパンクからの影響を感じさせるタイトでソリッドなサウンドと、代表曲“No”や“FNP”に見られるように、不当な現実と戦おうとする切実で生々しい言葉を武器にするアーティストだ。
「私は破壊工作員」と歌う新曲“saboteur forcefield”は、来年1月にリリースを控えた2ndアルバム『CACTI』からの楽曲。これまでになくメロウなメロディーとドリーミーなサウンドを備えている。同じアルバムに収録予定の“Blue Bones”“balance is gone”とあわせて、ぜひ聴いてほしい。(佐伯享介)
そのほか、テイラー・スウィフト、NxWorries、ベニー・シングス、Dry Cleaning、YUKI、Sara Wakui、Daichi Yamamoto、Kelela、Bonobo、yonawoなどの新曲30曲を追加。CINRA編集部がいま聴いている曲をセレクトするプレイリスト「Songs We Dance To」は、Apple Music、Spotifyで毎週水曜に更新中。