isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
死線を超えて
今週のおひつじ座は、“どうせ”から“だからこそ”へと踏み越えていこうとするような星回り。
『起き伏すもをみなひとりぞ雁わたる』(桂信子)という句のごとし。ここでは夫を失って数年が経ち、よりいっそう孤影が深まっている様子が伝わってきます。
人は寝入るときも覚めるときも、生きるときも死ぬときも、結局は一人なのだという自覚が、改めて刻み込まれていくかのよう。ただ、そこから“どうせ”と内に閉じていくか、“だからこそ”と外に開いていくかは人によって分かれるところでしょう。
あなたもまた、自分がたぐり寄せようとしている縁や、為そうとしている絆をどれだけ大切にしていけるかが問われていくはず。
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綾と孤独
今週のおうし座は、男と女によって作られる社会と人生の綾を、しげしげと眺めていくような星回り。
精神科医で随筆家だった斎藤茂太が最晩年に著した本の題は『女のはないき・男のためいき』(2003)というもので、その粋な雰囲気とは裏腹に、内容としては鬱は治るというものでした。
男には判決の自信が、女には解決の自信があれば鬱は治ると打ち出すあたりが、著者の面目躍如訳でしょう。そこで警戒すべきは、男の溜息と女の鼻息。たまの溜息や鼻息はいいけれど、それがクセになってくるのが厄介だと言うのです。
あなたもまた、男と女それぞれのおかしさや面倒くささを認識しつつも、それをどこかで楽しんでいく余裕を持ちたいところです。
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到来すべきものの到来
今週のふたご座は、麻痺と覚醒ならば、覚醒をこそ選択していこうとするような星回り。
『去年より又わびしひぞ秋の暮』(与謝蕪村)という句のごとし。還暦(華甲)の年もまもなく過ぎ去ろうとしているある秋の暮、ことさら侘しさや寂しさを催して詠まれた一句。
秋の暮れが寂しいなんてことは、誰もが感じていることであり、もう飽きるほど詠まれてきたことなのに、それをこれほどあからさまに言うのは大胆と言うか、怖いもの知らずの句づくりと言っていいでしょう。
あなたもまた、蓋をして流してしまう代わりに、目を開いて視界の端に置くべきことを見定めていくことがテーマとなっていくでしょう。
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男でも女でもなく人として
今週のかに座は、より大胆に、図々しくなっていこうとするような星回り。
日本社会はまだまだ男性中心主義が闊歩している社会ですが、その原型は共学の学校社会にあるように思います。共学ではどうしても男子のほうに力があり、女はどうしてもその中で上手に立ち回ることを考えがちな訳ですが、一方でそれが女子校となると、まるで違う。
女子校で3年間を過ごした人は、特有のパーソナリティーのようなものがあり、男だから、女だからという前に、ひとりの「人」でいるという感覚が必ずどこかに潜んでいる。
あなたもまた、より力強く自分らしさを打ち出していく上でも、そうした女子高出身者に特有のパーソナリティーや感覚のようなものを改めて思い出していきたいところです。
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帰ろう帰ろう
今週のしし座は、普段なら受け流しがちな“今”に立ち戻っていこうとするような星回り。
『榠樝(かりん)の実が土打つ一度きりの音』(村上鞆彦)という句のごとし。俳句は五七五の十七音を基本としますが、掲句の場合、そのルールを破る2つの「破調」が用いられています。
作者は、定型的なリズムや通常の意味の切れ目では捉えきれない、榠樝の実が落ちた瞬間の生の“感じ”を伝えようとしている訳ですが、それは取りも直さず、いかに普段の私たちが生の現実を生きられていないかということの、裏返しでもあるのではないでしょうか。
あなたもまた、今自分がこの瞬間に生きているという実感を深められるかということに、どれだけ真剣に取り組んでいけるかが問われていくはず。
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迷子入門
今週のおとめ座は、「洋々とした匿名のさまよい人の群れに加わ」っていこうとするような星回り。
20世紀を代表する女性作家のひとりであるヴァージニア・ウルフの長編小説『灯台へ』では、迷子になることへの切望が記されています。
家から遠く離れた異国にいる際に湧いてくるような、心許なさや突如迷子になってしまったような感覚。それらは意識のゆらぎやうつろいに敏感で、言語化することに長けたウルフにとってはより身近なものであり、例えば何気なく近所を歩いているときですら、そうした感覚を感じ取っていたのではないでしょうか。
あなたもまた、そうしたウルフ的な迷子感覚につき動かされ、ただ一人でさまよい歩いていくべし。
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沈黙と臨在
今週のてんびん座は、なるべく語らずして語っていこうとするような星回り。
『露の世のもめを淋しく坐りをり』(清原枴童)という句のごとし。
単に他人事として突き放しているというより、自らもその渦中の一端にあるはずのもめごとの只中にあって自己を主張しないばかりか、「露の世」といった人生観さえも誰かに押しつけないでいられたことの得難さを、そっと指し示そうとしたものと言えるかも知れません。
あなたもまた、何かをいかに打ち出していくかということより、いかにそれを控えて、内に秘めていけるかがテーマとなっていくでしょう。
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世間体など知らぬ
今週のさそり座は、常識的な理解の範疇を超えた生々しさが開示されてくるような星回り。
私たちは普段、何か物がそこに“存在している”ということを本当の意味では感じていません。物はまるで舞台装置のように、私たちを取り囲み、手にとっても予定調和な抵抗があるばかりで、なんでもないような道具の役割をこなしているのです。
とはいえ、そうして大人しく人間側に都合を合わせてばかりいる訳でもないことは、例えばサルトルの『嘔吐』に出てくる例のマロニエの根っこの記述などにあたれば分かるはず。
あなたもまた、安易な先入観によって覆い隠されている「存在」のとばりの向こう側を垣間見ていくことになるかも知れません。
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ものを忘れてどこまでも
今週のいて座は、バーチャルな世界でどこまでも遊び倒してしまうような星回り。
『おでん屋のあたりまで君ゐたやうな』(西村麒麟)という句のごとし。
「おでん屋」とは言っていても、すでにそこには社会のずっしりとしたリアリティみたいなものは消し飛んでいて、どこまでも「君」と僕と、この世界の行く末とが交互に語られていくようなセカイ系のアニメのワンシーンを見せられているような印象さえ受ける。この人は、そういう設定の自分でしか発見できないことを、俳句というツールを利用して探しているのかも知れません。
あなたもまた、ちょっと「記憶を失ったアバター」にでもなったつもりで過ごしてみるくらいがちょうどいいでしょう。
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生きた現実を取り戻すために
今週のやぎ座は、自分が真に学ぶべきことは何だろうかと、改めて問い直していくような星回り。
日本人は、国家というものをどこかで絶対に揺るがないモノとどこかで思い込んでいる節があるけれど、中近東や中央アジアは歴史上国の境い目がたえず変動してきたし、そこに多様な民族が入り乱れてきた。
そこで暮らす人びとにとって大事なのは貯金通帳に記された数字やフォロワー数などではなく、生きる術として長く受け継がれてきた民族の伝統だったし、それこそ現代の日本人が真に学ぶべきことなのかも知れない。
あなたもまた、近代化された暮らしの中で自分たちが何を見失ってしまったのか、改めて考えてみるといいだろう。
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過程としての日常
今週のみずがめ座は、「たかが」と「されど」のはざまに仕事を置いていくような星回り。
『柿むいて今の青空あるばかり』(大木あまり)という句のごとし。「柿むけば」は柿の味わいを想起するずっと手前のプロセスであり、ただサリサリと何の思い入れもなくむいているだけ。
それは極めて事務的なプロセスであり、満足とはほど遠い、むしろ心を無にする行のようなものとも言える。でもだからこそ、ぽっかりと空いた心に「今の青空」が真に迫ってくる訳です。
あなたもまた、サリサリと「柿むいて」いきましょう、くらいのテンションで過ごしてみるといいでしょう。
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循環と刷新
今週のうお座は、何か誰かと関わるほどに、自己の外へと連れ出されてしまうような星回り。
私たちは、他者や対象との微に入り細を穿つような「絡み合い」を通じて、活力を与えたり与えられたりしていく。
とりわけメルロ=ポンティが述べる、私“が”作り出しているものではなく私“を”作り出すものであるという区別は、蛇が脱皮するように自分自身を新たに更新しつつある今のうお座の人たちにとって、特に重要であるように思います。
あなたもまた、見る身体への見えるものの巻きつきであり、触れる身体への触れうるものの巻きつきということを、文字通り体感していくことができるはず。
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