値上げラッシュの波が家計を襲っている。帝国データバンクの調査によると、10月は食品だけで約6500品目以上が値上げされるといい、「給料は上がらないのに!」と憤る人も多いだろう。
そんな中、10月19日のガールズちゃんねるに「物価高騰でやめたことありますか」と問いかけるトピックが立った。光熱費が気になるらしいトピ主が「私は毎日湯船に浸かっていましたが、最近はシャワーにしました」と打ち明けると、コメント欄には
「朝食のパン。ご飯にした」
「ガソリンが高いのでチャリ通」
など、女性たちの悲鳴にも似たコメントが相次いだ。(文:篠原みつき)
「パンだとハムやらチーズやら…それらも値上がり毎日きつい」
目立ったのは、「やっすい食パンで我慢してる」など、生活必需品のランクを下げたり、やめたという声だ。前述のように「パンからご飯」にシフトしている人も少なくない。具体的には
「我が家も朝パンからおにぎりに変えました。パンだとハムやらチーズやら子どもは食べたがるのでそれらも値上がり毎日きついので」
「トイレットペーパー安いやつに変えた」
「くだものあんまり買わなくなった」
などのほか、電気代を気にするあまり「テレビを見なくなった」という声も。「気休めに飲んでいたサプリメント」、旅行、ジェルネイル、デパコスなど、娯楽や嗜好品、おしゃれに関することを諦めた人も目立つ。
「テレビはほんとそう 無駄に電気使うのが怖くなってる」
「一日一本飲んでた缶ハイボールやめた」
「服を購入する回数が減りました」
「(生活費が上がり過ぎて)化粧品なんかも買えなくなってきた」
と困窮を訴える人も。なかには「スタバとか高い飲み物」「スタバやドトール」という声もいくつかあり
「スタバの新作もう一年以上買ってない。今度の紫芋のやつ食べたいな」
というコメントに寂しさが漂っていた。いち主婦である筆者も同様だ。生活費が体感3割増しくらいで、チェーン店のカフェを楽しむ余裕すらなくなっている人がかなりいるようだ。
「お菓子をやめたら、痩せた」というメリットもあるが……
一方で、「お菓子買わなくなった。ちょっと体重減ってきたよ」と、メリットを書く人も散見された。「(スーパーの)お惣菜をやめたら食費が減った。今まで贅沢しすぎてた」という声も。コロナもあって宅飲みが増えたという人は、
「昔は騒いでウェーイが良かったけど、サブスクで映画観て音楽聴いて紅茶を飲むのが楽しい。お酒も好きだったのにあんまり飲まなくなったから交際費も減った」
と書いており、最近の娯楽が変化もうかがえる。確かに、外出が減ったことで散財が抑えられ、その上ダイエットにもなれば、健康面から見てもメリットはありそうだ。
ただ、お金を使わない人が多くなると、それだけお店や企業も売上が落ちる。会社の業績が悪ければ従業員の給料は上がらず、結局は日本経済の落ち込みに繋がってしまう。コメントの中には
「うちパン屋ですが今年夏頃からすごく暇になりました…お客さんの購入単価も下がったし。(中略)原材料はどんどん高くなってるし、小麦断ちや糖質制限してる人も多いしもう潮時かなぁ」
と廃業をほのめかす人もいて悲しい。
政府は今月末にも総合経済対策を取りまとめる予定だが、物価高騰に対する有効な手立てを講じられるだろうか。