Text by CINRA編集部
毎週更新のCINRAプレイリスト「Songs We Dance To」。ロック / ポップ、インディ、ヒップホップをはじめ、実験的なエレクトロニックミュージックからK-POPまで、ジャンルレスに選曲したプレイリスト(2022年10月17日週更新)から、編集部員が特におすすめしたい楽曲を紹介します。
CHARAの新曲は今回も爆発的にかわいい。“スカート”(2001年)を彷彿とさせるようなベースラインではじまるイントロ、踊りたくなるサウンドと声に出して歌いたくなる詞。サウンドプロデュースはmabanuaが担当している。CHARAはデビューから30年以上つねに進化を続けていて、その時々に受け入れられるかたちになったり、そのために新しい仲間とタッグを組んだりしながら「CHARA」をアップデートし続けている。いまのCHARAはダンスミュージックとして、踊りながら歌うのがとても楽しい。カラオケでも歌いたい。(川浦慧)
来年1月の来日公演も決定したgirl in redの久しぶりの新曲は、2018年のヒット曲“we fell in love in october”の続編的な位置付け。10月に恋に落ちた彼女への愛おしさを歌った前者に対し、今回は終わった恋を振り返る、少し苦いラブソング。プロデュースを務めたのは、テイラー・スウィフトがインディーロックに接近した『folklore』『evermore』でもその手腕を発揮したThe Nationalのアーロン・デスナー。オスロとロサンゼルスをつなぎ、リモートで共作したという。同曲にあわせて8分間のショートフィルムも公開。girl in redの叙情的なリリックが紡ぐ秋の恋人たちが現前するような、美しい映像作品になっている。(後藤美波)
オレゴン州はポートランド在住の音楽家、Kaho Matsuiのシングル。彼女は主に、ギターの即興演奏と電子音楽ーー文章やフィールドレコーディング、スピーチをはじめ、非音楽的な文脈で書かれたものーーを通じて、日記を書くように作品づくりを行なっているという。
ギターのアルペジオが織り込まれた浮遊するようなエレクトロニクスを下地に、ブレイクビーツおよびIDM的なリズム、ベースを効かせた躁的なパート、電子音とギターのインプロヴィゼーションが移ろっていく凪のようなパートがグラデーションしていくーー“sssssmilinggggg”はそのサウンドの移ろいそのものが心地よくも美しい。Spotifyを見るとシカゴがリスナー数の上位にあるのもあってか、この美意識にかつての音響派が思い出させられる。(山元翔一)
長年にわたってWarp Recordsからリリースを続けている、エレクトロニックミュージック界の大御所・Plaid。新曲“Perspex”は、架空の惑星「ファロークス」で開催された銀河系の祭典『Feorm Festival』でのパフォーマンスを再現するという、SFライクなコンセプトを持つニューアルバム『Feorm Falorx』の収録曲だ。どこか東洋的な精神性も感じさせるミステリアスなメロディー、多層的で奥深い音のレイヤーの重なり、人工的なユートピアを思わせるひんやり冷たくも有機的なサウンドスケープ。それらは数年前から始まったニューエイジリバイバルとの共振をみせており、活動開始から30年以上が経過した現在も彼らがアクチュアルな存在であることを証明しているかのようだ。
3DCGと実写、アニメーションが融合した奇妙な彫刻作品のようなオブジェクトを映すミュージックビデオは、AIが生成した映像をもとに制作されたものとのこと。アルバムのジャケットビジュアルや今作のためのアーティスト写真もAIや写真合成技術を駆使してつくられたという。(佐伯享介)
そのほか、LESSERAFIM、NickHakim、NosajThing、蓮沼執太、THE1975、ArcticMonkeys、カワサキケイ、ROTHBARTBARON,中村佳穂などの新曲30曲を追加。CINRA編集部がいま聴いている曲をセレクトするプレイリスト「Songs We Dance To」は、Apple Music、Spotifyで毎週水曜に更新中。