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「J∞QUALITY」来年4月に改定 テキスタイルの新制度を導入

2022年10月20日 19:32  Fashionsnap.com

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イベントのブース出展では三陽商会の「100年コート」を展示

Image by: FASHIONSNAP
一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会(以下、JAFIC)が運営する日本製商品の認証制度「ジェイ クオリティー(J∞QUALITY)」が、2023年4月1日に改定する。これまでは認証商品にジェイ クオリティーの下げ札を付けるのみだったが、改定後は下げ札に製品の機能や生産工程を紹介する商品ページにアクセスできるQRコードを新たに導入し、消費者への訴求力を強化するほか、登録プロセスを簡易化し、制度の活性化を図る。

 ジェイ クオリティーは、「織布・編立」「染色整理加工」「縫製」 「企画・販売」の4つの工程すべてを日本国内で行った日本製商品に与えられる。承認された企業や工場は約600でこれまでに三陽商会の「100年コート」やワールドが展開する「リフレクト(Reflect)」の「匠ジャケット」、フランドルの「イネド(INED)」のセーターなど、約3700品番が登録されている。
 企業承認では、電話によるヒアリング評価といったフローを見直し、ウェブ上で申請が完結することで、これまで最大60日ほどがかかっていたが、30日程度に短縮できると見込んでいる。また、企画・販売者の対象を商社やECサイト運営企業等へ拡大。生産工程の申請および更新料も減額する。
 商品登録においても、これまで必須としていたサンプルの送付を廃止。また、海外生産のトップ糸であっても、国内で織布・編みが行われていれば登録可能とする。改定後、登録料は無償となる。
 QRコードは「サステナブルな商品」であることを消費者に伝える制度として発案された。ページには、承認企業による製品への思いや、工場を撮影した動画などの掲載ができ、工程数に応じてページをカスタマイズすることも可能。自社ECサイトにも誘導することができる。動画掲載を希望する場合は基本的に、承認企業や工場が制作してアップロードする必要がある。英表記にも対応し、海外の展示会でメイドインジャパンを強みにしたセールス活動につなぎたい考えだ。

 また、JAFICは日本製のテキスタイルを対象にした「ジェイ クオリティー(J∞QUALITY)テキスタイル」を新たに導入。「織布(丸編)」「染色整理加工」の2工程を承認工場で行っているテキスタイルを対象とし、承認されたテキスタイルには同様にQRコードのシールを付与する。QRコードから閲覧できるページでは、環境配慮といったテキスタイルの特徴や、組成、規格、目付など素材設計に関する情報を記す。登録料は無償。

 10月18日から20日まで開かれた「第2回 サステナブル ファッション EXPO[秋]」では、ブースで新制度について説明した。ジェイ クオリティーのマネージャー山田亮平氏は「繊維・縫製産地の活性化につながる一助になれば」と事業への思いを込めた。今後は承認企業を対象に工場と企画・販売者のマッチングイベントを年2回行う予定だという。