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巨人コーチ就任のデーブ大久保は球界のガーシー!?  三木谷介入、星野鉄拳制裁などYouTubeで暴露してきた球団の“裏側”

2022年10月20日 18:10  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

2019年6月、freee株式会社が開催したイベント『asobiba』でトークする大久保博元(PRTIMESより)

 10月13日、巨人は2023年シーズンのコーチ陣メンバーを発表。一軍打撃チーフコーチに名前が挙がっていたのは、デーブ大久保こと大久保博元氏だ。

 デーブは2015年に東北楽天ゴールデンイーグルスの監督を辞任すると、かねてから経営していた野球塾『デーブ ベースボールアカデミー』に加え、2016年春から東京・新橋で居酒屋『肉蔵でーぶ』を開業。その傍ら野球解説者として活動していた。

球界のガーシー化!YouTube「デーブ大久保チャンネル」で暴露

 ところが2020年にコロナが蔓延し、営業自粛を余儀なくされ、空いた時間を埋めるためにYouTube「デーブ大久保チャンネル」を始める。そこでは、名だたるプロ野球OBを次々に招いて時にガーシーこと東谷義和氏ばりの“暴露”ありのぶっちゃけトークを引き出してきた。

 今だからこそ話せる野球界の裏話がウケ、チャンネル登録者数は約34万人でプロ野球関連のYouTubeでもトップクラス。その人気にあやかって、次々と球界のレジェンドたちが登場し、スレスレトークを展開し、レジェンドたちもチャンネルを開設してデーブに追随するという現象が起きている。

 たとえば、巨人OB投手の高橋尚成が出演した最終回は、『尚成、逆指名でいくら貰ったんだ』というタイトル。

 1999年に「希望入団枠制度(逆指名制度)」で入団したゲスト・高橋尚成に対し“お金”を意味するジェスチャーを交えながら「あれはないわ」と水を向けると尚成は同じ逆指名で入団した選手の名を挙げ、「河原(純一)さん、小久保(裕紀)さん、入来(祐作)さんなんかはすごかった、(高橋)由伸でしょあと」と応じている。

 2005年に横浜ベイスターズに入団した那須野巧氏は、入団時の契約金が最高標準額を大幅に超える5億3000万円、1年目の年俸も申し合わせの2倍となる3000万円だったことが発覚している。つまり「逆指名」イコール“裏金”というイメージがつきまとっていただけに、高橋尚成の回は、裏金という名言こそしていないものの、タイトルといい、お金マークといい、物議を醸してもおかしくない回だった。

楽天グループ・三木谷浩史会長の現場介入

 また、以前より取りざたされていた、楽天グループの三木谷浩史会長が選手起用や打順を巡って現場に“介入”してくるというウワサについてもデーブは高橋尚成のチャンネルで真相を語っている。

 三木谷氏が「この選手使わない方がいいんじゃない」と言ってくることがあったとしつつも、「(会長は)試合終わって3回ぐらい試合を見直す、俺らより見ている」「データに基づいた介入だった」とフォローしていた。

 また、会長よりはむしろ「球団の戦略室」などが、例えば「なんで打順1、2番にこだわるんですか、(それが意味を持つのはイニングとして)1回だけじゃないですか」と言ってくるような野球素人のフロントの介入に苦しんだという。デーブは「試合の立ち上がりが大事、ゴルフでもティーショットが大事じゃないですか」などと反論していたがストレスは溜まる一方だったとか。

 また、元中日のエース小松辰雄からは「星野(仙一)監督は独身しか殴らなかった。女房子どもおるのに顔腫らして帰ったらまずいだろうと。(既婚でも殴られた者は)何人かちょこっといたけどね。落合英二(投手)とか」という“星野鉄拳制裁”の思い出トークを引き出していた。

 チャンネル開設以来一番の再生回数を記録したのは清原和博との対談だ。4話に分けて計665万回。清原とは西武ライオンズの思い出を語り合った。当時の練習は厳しく、徹底した走り込みと、ゴロを捕るために腰割りなどの基礎練習だけでヘトヘトになる。1年後輩の清原も数ヶ月で10数キロ痩せたという。少しでも不満な態度をとったら、容赦なくコーチの鉄拳が飛んできた。デーブはコーチ全員、清原はそのうちの一人に殴られ八重歯が飛んだ。

現役引退後も才覚発揮も二度の暴力トラブル

 その西武時代では、当時の森祇晶監督から評価されることなく二軍生活を余儀なくされていたが、1992年に巨人にトレード。そこからの活躍はアラフォー以上の野球ファンなら誰でも強烈に覚えているはず。
 
 また引退後も西武のコーチ時代はメジャー流のアーリーワーク(早朝練習)を導入するなどして、中村剛也らの強打者を育てた。そして星野仙一氏からのラブコールがきっかけで前述のように楽天の一軍監督も務めた。

 デーブが心配なところはまず健康面だ。2021年8月に心筋梗塞を発症し、その後復帰したが、Twitterで「生死をさまよった」と告白している。もう一つ不安な部分がアンガーマネジメントだ。元巨人軍広報香坂英典氏によると「本音を隠せずに、そのまま言うタイプ」。

 西武一軍コーチ時代の2008年には知人女性を殴ったとして、書類送検され、2009年に東京簡裁から罰金20万円の略式命令。このため、一軍打撃コーチから編成部に異動。2010年には西武の二軍コーチに復帰したものの、現在メジャーリーグで活躍する菊池雄星に遅刻をめぐるトラブルで暴行した疑いで、球団から解雇された。

 デーブが個人で菊池の練習遅刻の罰金を徴収し、個人利用していたとされていたが、罰金を徴収していたのは別の自主グループであり、菊池に対して暴言はあったが、暴行はなかったと弁明している。当時監督でのちにシニアディレクターになった渡辺久信氏の仲介で、2016年に菊池と和解している。

デーブ大久保の転機

 本音しかないところがYouTubeでは活かされたが、こと野球に関してはうまくいく場合といかないときの落差が激しい。そんなデーブも大人として成熟する出来事があったようだ。

 現役のとき森監督は「顔も見たくない」「口も聞きたくない」存在だった。でもだからこそリーグ優勝8回、日本一6回という成績を残せたのだ。選手に恨まれるようじゃないと、名将にはなれない。自分が監督を経験して、はじめて森監督の偉大さが分かったという。

 デーブが嫌っているということは知っているはずなのに、森氏は数年前に再会すると優しく声をかけてくれた。デーブは自分が今までしてきたことが恥ずかしくなり反省し、影で号泣したという。森監督の下にいたときは「全てを人のせい」にしており、監督の立場からみると最低の選手だったとふり返った。

 人間的にも成長したデーブは原監督を男にして胴上げすることができるか。

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