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本物そっくりのリンゴはレザークラフト 個性豊かなリングケース

2022年10月20日 09:31  おたくま経済新聞

おたくま経済新聞

本物そっくりのリンゴはレザークラフト 個性豊かなリングケース

 容器に入って並んだ色とりどりのリンゴ。どれも美味しそうな色艶ですが、実はこれ、レザークラフトのリングケースなんです。フルーツやスイーツなど、美味しそうな見た目のレザー作品を作っている「革工房Broonie」の表さんに話をうかがいました。


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 もともとは趣味で革小物を作っていた表さん。新しい財布を探していたところ、なかなか自分の好みに合った財布が見つからず「それなら自分で作ってみよう」と思い立ったのがきっかけで、本格的なレザークラフトの世界に入りました。


 本業として独立したのは2020年ですが、趣味や副業の期間を含めると約10年のキャリアがあるとのこと。活動は2つのジャンルに分かれていて、1つは革財布をメインとしたもの、もう1つは本物そっくりのケーキやリンゴなどフルーツをモチーフにした「革パティシエ」作品。「革パティシエ」は商標登録もされています。


 モチーフを選ぶ際は「これ革で表現したら面白そうだな」と思うものをメモしておき、どうやって形にするか考えていくのだそう。革パティシエのスイーツ作品は「コース料理の最後に出てきそうなおしゃれなケーキ」をイメージしているのだとか。


 リンゴのリングケースなど、フルーツ作品は「かじりたくなるような美味しそうな果物」がテーマ。対象をよく観察し、細かなディティールまで作品にいかしていきます。


 リングケースになっているリンゴの場合、最初にモチーフにしたのはポピュラーな「ふじ」。「そこからもうちょっと赤くしようかな?など、試行錯誤して着色しています。今のところは『ぐんま名月』や『秋映』など全部で5種類です」と表さんは答えてくれました。


 丸く立体的に整形するのは大変そうですが、革は水に濡らすと繊維がほぐれて柔らかくなるので、その特性を利用し、オリジナルの型にはめて手で伸ばしていきます。これは「絞り」または「立体成型」と呼ばれる手法なんだとか。


 偏りなく水分を飛ばし、乾燥させたら塗装作業。先に地の色となる黄色をまんべんなく吹いておき、その上にオリジナルに調色した赤を筆やエアブラシで模様を塗り重ねていきます。


 黄色1色の時は、まだ皮革っぽさが残っていましたが、色が塗り重ねられるたびにリンゴらしく。艶感もみずみずしいリンゴのものに見えてきますね。


 リングケースなので上下に分割でき、中にはリングを1つ入れることができます。リングひとつ分ということなので、リンゴは実物大より少し小さめな、姫リンゴと同じくらい。手の中に収まるかわいらしさも魅力です。


 ほかにもスイーツになった「革パティシエ」シリーズは、お皿に置いたら間違えて食べてしまいそうなリアルさ。こちらも中にリングなど小物を入れられるケースとなっています。


 作品を作る際の心構えについて、表さんは次のように語ってくれました。


 「丁寧に作ることももちろんですが、自分自身が楽しく作ることですね。気持ち次第で仕上がりが良くも悪くもなってしまうので。あとは見ていただくお客様が楽しく見られるような作品を心がけています」


 表さんの「革工房Broonie」は、2022年11月19日・20日に東京ビッグサイトで開催される「デザインフェスタvol.56」に参加予定。当日は「革パティシエのリンゴシリーズはもちろん、リンゴのケーキモチーフや丸いドーム型のケーキ、四角いケーキ等盛りだくさんで参加します!」とのなので、TwitterやInstagram(broonie_leather)でチェックしておくと良さそうです。



<記事化協力>
革工房Broonieさん(@broonie_info)