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ランボルギーニの新型「ウルス」と対面! 2つのタイプの違いとは?

2022年10月19日 11:32  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
ランボルギーニの業績を押し上げ、人気を拡大し、新規ユーザーを増やし、同ブランドのイメージをリフレッシュした立役者といえば、スーパーSUVの「ウルス」だ。ここへきて登場した新型ウルスには「ペルフォルマンテ」と「S」の2タイプが用意されているが、何が違うのか。ペルフォルマンテに本国・イタリアで対面し、ランボの重要人物に話を聞いてきた。


○「ウルス ペルフォルマンテ」の開発思想とは



イタリアはローマで開催された試乗会で、ウルス ペルフォルマンテとの初対面を果たした。乗った感想は別稿でお伝えするとして、まずはこのクルマの詳細について、ランボの説明に基づきつつレポートしていきたい。



ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマンCEOによると、「ペルフォルマンテ」とは最高のパフォーマンスを生み出す性能を身につけたクルマだけに与えられるサブネームであり、同時に発表された豪華バージョンの「ウルス S」とはかなり開発思想が異なるのだという。


ちなみに、1モデルにつき最低でも1種類の新バージョンを開発するのは既定路線であり、他モデルとのパワー競争に巻き込まれた結果としてウルスのハイパワーバージョンを企画したわけではないとの説明もあった。


ウルス ペルフォルマンテのスペックを見てみよう。4.0LのV型8気筒ターボエンジンは、最大トルクの850Nmこそ標準タイプと変わっていないものの、最高出力は16PSアップの666PSとなっている。公称の性能は0-100km/h加速3.3秒(Sは3.5秒、ノーマルは3.6秒)、0-200km/h加速11.5秒、最高速度306km/h(Sは305km/h)、100km/h-0km/hの制動距離32.9m。ウルスのトップパフォーマンスモデルにふさわしいデータだ。ボディの軽量化により、パワーウエイトレシオはクラストップレベルとなる3.23kg/PSを達成。アストンマーティン「DBX707」にはわずかに劣るが、ライバルの多いスーパーSUVクラスのベンチマークとなっている。


「ウルス ペルフォルマンテの最大の特徴は、ボディの軽量化と空力の改善にあります」と解説するのは、デザイン責任者のミーティア・ボルケート氏。エアアウトレット付きの軽量鍛造カーボンファイバー製ボンネット、新しいラインを描くブラックのカーボンファイバー製フロントバンパー、左右のスプリッターがセットになったフロント部分を指さしつつ、「ペルフォルマンテらしさあふれる新しいデザインは最も注目してほしい部分」とアピールした。特筆すべきは、新形状のスプリッターにより発生するエアカーテンの効果だ。気流をフロントホイールの上に導くとともに全体の空力効率にも貢献しており、さらにはエンジン冷却性能を高める効果まで得られるという。


リアのパーツについては、「アヴェンタドールSVJ」からインスピレーションを得て新しく設計したリアスポイラーがポイント。その効果として後部のダウンフォースは38%、ボディ全体のダウンフォースは8%増加している。



ホイールアーチやリアバンパー、ディフューザーなど、多くの部分にカーボンパーツを使っているところも豪勢だ。アクラポビッチ製の4連エグゾーストパイプも目をひく装備で、こちらも軽量なスポーツタイプとなっている。


結果として、トータルでの車両重量は標準タイプに比べ47kgも軽くなっている。軽量化もヒト1人分に近い数字となると圧倒的だ。まさに、カーボンファイバーによるダイエットの成功例といえる。



インテリアも新しくなった。標準仕様では、ブラックのアルカンターラに新しい六角形デザインのシートスケッチを施した「ペルフォルマンテ トリム」を採用。レザータイプに比べて体の滑りが少なく、サーキット走行などではよりピタリと乗員をホールドしてくれる。オプションの「ダークパッケージ」では、各操作スイッチ類がマットブラック仕上げに。「アド ペルソナム」を利用すればさらなるパーソナライズも可能だ。


馬力と空力性能の向上に徹底的な軽量化が加わると、ウルスの走りはどう変わるのか。そのあたりについてはローマのサーキットとダートコースで存分に試してきたので、次の記事で詳しくレポートしたい。



原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)