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故ダイアナ妃の事故死した日を再現か 『ザ・クラウン』制作スタッフが上層部の撮影計画に怒り「一線を越えてしまった」

2022年10月18日 09:12  Techinsight Japan

Techinsight Japan

『ザ・クラウン』で故ダイアナ妃の最期が描かれることに
Netflixの王室ドラマ『ザ・クラウン』最新シーズンで、故ダイアナ妃がパリで事故死した日のことが描かれる予定だという。Netflixの上層部によるこのような計画に、制作スタッフは「一線を越えてしまった」と猛反対している。11月に配信するシーズン5では、故エディンバラ公フィリップ王配の不倫やチャールズ皇太子(当時)が女王の追い出しを企てるシーンなど事実に反する場面があることから、王室関係者から強い批判を浴びている。

故エリザベス女王(享年96)の治世を描いたNetflixの人気ドラマ『ザ・クラウン』シーズン5が11月9日に配信開始することに先駆け、その内容が物議を醸している。

同ドラマは実在の人物や歴史的事実をベースに、多くの場面がフィクションで脚色されている。しかしドラマの内容を実際の出来事と受け止める視聴者も多く、事実とフィクションの境界線が曖昧だと繰り返し非難されてきた。

現地時間9日には、最新シーズンのエピソード中、女王の夫で故エディンバラ公フィリップ王配の不倫が描かれていると報じられた。そのため王室専門家から「悪質極まりない」と大きな批判を浴びたばかりだった。

そんな同ドラマの制作現場では、今後のシーンの撮影計画についてスタッフが怒りをあらわにしているという。

英メディア『The Sun』が16日に報じたところによると、Netflixの上層部らはドラマで故ダイアナ妃がパリで事故死した日の再現を計画しているそうだ。

しかし制作スタッフはこのようなシーンを撮影する計画に不快を感じ、反対を口にするクルーも出てきたという。

撮影現場の関係者は同メディアの取材に応じ、「ダイアナの最期の日々をドラマ化するなんて、とても不快に感じます」と言い、こう続けた。

「この番組は常に、王室の歴史をフィクション化したバージョンを可能な限り繊細に表現することを心がけていました。しかし現代に近づくにつれて、そのバランスが難しくなってきたようです。」

そして「中には、とてもリアルで不快を感じるようなシーンもあるんです。まるで一線を越えてしまったように思えます」と明かした。

この人物によると、制作スタッフの中には番組のアイデアに反対するなど自分の意見を口にする人が増えてきたそうだ。

同メディアによると、問題のシーンは1997年にダイアナ妃がパリで事故死する前後の数日間と数時間に焦点を当てたものになるという。こういった報道を受け、Netflixは「事故に遭った瞬間を再現することはない」と述べた。

この件に加え同ドラマでは、チャールズ皇太子(当時)が90年代初頭に母エリザベス女王を追い出そうと企むシーンが描かれていることも明らかになっている。これを受け、英元首相ジョン・メージャー卿は「悪意に満ちたナンセンスな作品」と激しく批判し、チャールズ国王の友人らが番組のボイコットを呼びかけていた。

なおNetflixの広報担当者は15日、「シリーズ5は密室で起こったかもしれないことを想像する、フィクションのドラマ化です」と説明している。

画像2枚目は『The Crown 2022年10月14日付Instagram「Welcome to the ‘90s.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)