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難病の6歳女児 外見の違い、発達の遅れも「愛する娘は喜び」と両親が思いを語る(米)<動画あり>

2022年10月16日 22:11  Techinsight Japan

Techinsight Japan

ファイファー症候群のハドリーちゃん、両親や兄と一緒に(画像は『Hadley 2022年4月3日付Instagram「Reminiscing…」』のスクリーンショット)
頭蓋縫合の早期癒合によって頭蓋骨や顔面の異常を引き起こす難病「ファイファー症候群」を患う女児(6)の両親が、これまでの葛藤、苦しみ、喜び、そして娘への愛について語った。特徴的な顔立ちの女児の症状は重く、精神・運動発達の遅れなどがみられるが、両親は「娘の存在は私たちにとっては喜び。障がいを持つ子への偏見をなくして欲しい」と訴えた。『Love What Matters』などが伝えている。

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米フロリダ州に住むアンドリューさん(Andrew)とクリスティさん(Kristy)夫妻の間に長女ハドリーちゃん(Hadley、6)が誕生したのは、2016年6月2日のことだった。

「私たちには当時、6歳と4歳の男の子がいましたが、『どうしても3人目が欲しい』と思っていた時に妊娠したのがハドリーでした。しかも待望の女の子とあって、私たち夫婦は喜びの絶頂にいたのです」と当時を振り返るクリスティさん。しかし妊娠20週目の検診で、夫妻はお腹の中にいたハドリーちゃんに異常があることを知り、検査の結果「ファイファー症候群」であることが判明した。

ファイファー症候群とは102000分の1の確率で発症すると言われ、遺伝子の異常により頭蓋骨や顔面骨の縫合線が早期に癒合してしまい、大きくなる脳の成長に対応できなくなる。眼球突出、呼吸障害、頭蓋や顔面の異常などが特徴で、重度になると発達遅滞がみられることもある。

産科の看護師だというクリスティさんは、ハドリーちゃんについてこのように語っている。

「娘の病気が分かった時はショックでした。仕事柄、2000人以上の出産に立ち会ってきましたが、娘の病気は聞いたこともなかったのです。『なぜ私の子が?』と苦しみましたが、帝王切開で出産した瞬間、娘への愛おしさが込み上げてきました。」

「誕生した娘は頭が大きく変形していましたが、そのほかの健康には異常はなく、集中治療室で4日間を過ごすと退院できました。しかし生後2か月を過ぎると眼球が突出し、9月には脳の中に水が溜まる水頭症でシャント手術を受けました。また手術後には感染症を患い、生後4か月だった10月には右目を摘出、その後はマサチューセッツ州のボストン小児病院で頭蓋形成手術を受けたのです。そして生後13か月になると、医師は娘の呼吸を楽にするために気管切開術を行いました。さらに2歳の直前には100分も続くけいれん発作を起こし、脳性麻痺と診断されたのです。」

「娘の誕生後1年は、夫婦間での口論も絶えませんでした。でも祖父母をはじめ、医療スタッフ、非営利団体『小児頭蓋顔面協会』などのサポートでなんとか乗り切ると、家族の絆はより深いものになりました。」


こうして複数の手術に耐え、命の危機を何度も乗り越えてきたハドリーちゃん。気管切開で呼吸が安定するようになるとずいぶん落ち着いたそうで、今年6月には6歳の誕生日を迎えている。支えられないと座ることができず、肘が硬直し、難聴で全ての成長がゆっくりとのことで、小児科医、脳神経外科医など9人の専門医のサポートを受けているものの、彼女なりのペースで一歩一歩前進しているという。


クリスティさんはそんな娘について、このように吐露している。

「娘がいるということはいいもので、ハドリーの穏やかさや笑顔に癒されます。ハドリーは私たち家族のことを認識していて、家族がそばにいると興奮するのですよ。特にいつもケアをしてくれる祖母(アンドリューさんの母)や、一緒に遊んでくれる2人の兄、飼い犬が大好き。テレビを見て、歌に合わせて声を出すことも、音が出るおもちゃで遊ぶこともあるのです。」

「ケアをするのは決して楽ではありませんが、ハドリーは家族に喜びをもたらしてくれるのです。そして何より家族みんなに愛されているのです。ハドリーの成長はカタツムリと一緒。ゆっくりですが、確実に前進しています。それに今はとても健康なのですよ。」


一方で「障がいを持つ子供たちや、その家族への偏見をなくしたい」と、娘とのやりとりをSNSに投稿し続けるアンドリューさんは、「娘は他の子と変わらない」と明かし、こう述べた。

「障がいを持ち、外見が人と違う娘を見て『なぜ中絶しなかったの?』『この子は何もできないのでしょう?』などと聞いてくる人がいます。SNSには心無い声も多数上がります。でもそんなことを言ってくる人は、娘がどんなに素晴らしいのかを知らないのです。私は娘にチャンスを与えてあげたいと思っています。」


「6歳になったハドリーは『あれは嫌』という自己主張をするようになりました。成長こそゆっくりな娘ですが、私たちに『障がいがあってもいいんだよ。完璧でなくても大丈夫』ということを教えてくれています。ハドリーが私たちのもとに生まれてきたのにはきっと意味があるのです。」

「もし障がいを持つ娘のような子を見かけたら、無視したりせず、声をかけて欲しいのです。そして娘の病気についてもっと多くの人に知ってもらいたいと思います。」



画像は『Hadley 2022年4月3日付Instagram「Reminiscing…」、2022年9月16日付Instagram「Let’s talk about the prevalence of Pfeiffer Syndrome....1 in 102,000.」、2022年4月15日付Instagram「When you don’t know the destination, be sure to enjoy the journey.」、2022年5月9日付Instagram「Happy Mother’s Day」、2022年6月25日付Instagram「Three (almost) best friends」、2022年10月6日付Instagram「Wednesday wind down」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)