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「四畳半タイムマシンブルース」監督と副監督が制作上でラッキーだったこと明かす

2022年10月16日 21:51  コミックナタリー

コミックナタリー

劇場版「四畳半タイムマシンブルース」生コメンタリー上映会の様子。左から山代風我副監督、夏目真悟監督。
劇場版「四畳半タイムマシンブルース」の生コメンタリー上映会が、本日10月16日に東京・立川シネマシティにて行われ、夏目真悟監督と山代風我副監督が登壇した。

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イベントは尾崎紀子プロデューサーが進行を担当。夏目監督は「今日はたくさんの方に来ていただいてすごくうれしいです。なかなか上映しながら生のコメンタリーをやることがないので。今日は裏話や演出意図、(原作原案・脚本の)上田誠さんや、(キャラクター原案の)中村佑介さんとのやりとりなどもお話しできたらと思っております」と挨拶し、山代副監督も「こういう機会は初めてで。緊張して眠れませんでした」と述べた。

「四畳半神話大系」からシリーズに携わっている尾崎プロデューサーは、鑑賞したファンから多数寄せられた「ヒロインの明石さんがかわいい」という声を受けて、原作者の森見登美彦が「『四畳半神話大系』を原作からアニメ化するにあたって、アニメの明石さんがかわいく見えたというところから、『四畳半タイムマシンブルース』の原作では、そのかわいさがより意図的に入っているとおっしゃっていました」と明かす。夏目監督も「そこは意図的にやっていましたね」と述べた。尾崎プロデューサーが「明石さんの横顔とかは意識されたんですか?」と尋ねると、夏目監督は「(明石さん役の声優である)坂本真綾さんが、要所要所で『私』が明石さんを盗み見るようなアングルだとおっしゃっていたんです」と説明。続けて夏目監督は「中村さんの絵って横顔が素敵だなと思っていて。バランスがいいんですよね。日本画っぽい雰囲気があるというか。平面の絵に合う」と魅力を語った。

アニメ「四畳半神話大系」の制作にあたっては、監督を務めた湯浅政明が舞台となる京都に約1カ月住んでいたという。夏目監督は「僕も一緒に行ったんですけど、今回のレイアウトはそのときの資料とかも参考にしたりして。懐かしいなと思って、感慨深いですよね」としみじみ語る。「四畳半タイムマシンブルース」のスタッフの中にはアニメ「四畳半神話大系」が好きで自主的に参加したという人物もいたと言い、夏目監督は「とにかく作品自体が愛されていて。作り手の中にもそういう人がいるんだなと思いましたね」とコメント。「今回ラッキーだったのが、『犬王』が終わり『平家物語』も終わったところで、制作のサイエンスSARUを中心に、演出も進行も優秀なスタッフが集まったこと。みんな勘がよくて、こんなに楽だったのは初めてですね」と制作の裏側を紹介した。

イベントではこのほか、「サマータイムマシン・ブルース」の舞台版と映画版に続いて、未来から来た田村くん役を演じた本多力、劇中に登場するコーラ、劇判を担当した大島ミチル、銭湯オアシスのモデルとなった銭湯・源湯の話題などが紹介された。上映後に再び登壇した夏目監督は「今日は皆さんと一緒に観られてよかったです。公開されてから映画館で観たのは初めてでしたが、いいものですね。今日は、こんな感じで作っているのか、ということを感じてもらえたらいいなと思いながら話しました。この作品もいろんな人に観ていただいて。レビューもいろいろといいことを書いていただいてすごくうれしいですし、スタッフもそれを励みにしているので、今後ともよろしくお願いします」と挨拶。山代副監督は「自分も実はまだ劇場で観ることができていなくて。どうしても作ったあとは、チェックという感覚があるので、作品としてなかなか観ることができないんですが、今日はちゃんと観ることができてよかったなと思いました。ありがとうございます」と語り、イベントを締めくくった。

■ アニメ「四畳半タイムマシンブルース」
2022年9月30日(金)より3週間限定全国ロードショー

□ 配信情報
ディズニープラス:独占先行配信中
※配信限定エピソード含む全6話。

□ スタッフ
原作:「四畳半タイムマシンブルース」森見登美彦著、上田誠原案(KADOKAWA刊)
監督:夏目真悟
脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)
キャラクター原案:中村佑介
アニメーション制作:サイエンスSARU

□ キャスト
浅沼晋太郎、坂本真綾、吉野裕行、中井和哉、諏訪部順一、甲斐田裕子、佐藤せつじ、本多力(ヨーロッパ企画)

(c)2022 森見登美彦・上田誠・KADOKAWA/「四畳半タイムマシンブルース」製作委員会