劇場アニメ「ぼくらのよあけ」の公開直前特別試写会が、本日10月16日に東京・杉並区立杉並第二小学校で開催。沢渡悠真役の杉咲花と黒川智之監督が登壇した。
【大きな画像をもっと見る】今井哲也原作による「ぼくらのよあけ」は、西暦2049年を舞台としたジュブナイルSF。杉並第二小学校は同作のロケ地となっており、2024年に建て替えのために取り壊しが決まっている。試写会には同校の在校生や卒業生、物語の舞台である阿佐ヶ谷在住者も多数参加した。
杉咲は「劇中の舞台になっている場所にお邪魔させていただく経験はなかなかないこと。先ほど(劇中に出てくる)下駄箱にも行ってきて、悠真としての時間を過ごせた気がしてワクワクしました。小学校に来られる機会はあまりないので、思わずニコニコする時間だなと思いました」と笑顔を見せる。また「想像以上に下駄箱が小さくて、小学生時代の身長や当時見ていた世界を思い出して“はあ~”となりました。待機場所としてお借りした音楽室も懐かしい空間。普段あんなに楽器が置いてある場所に行くこともないので、エモーショナルな気持ちになりました」と、自身の小学生時代を懐かしんでいた。
黒川監督は「地元の皆さまや在校生が、体育館という馴染みのある場所で映画を観るのは特別なことなので、この作品でその機会に恵まれたのは光栄なことです」と喜ぶ。同校には制作開始前の2020年頃にロケハンで訪れたと言い、「校庭も工事が始まる前で、その際に撮った写真を資料としてアニメ制作に活かしました。学校に対する自分のイメージと実際のスケールが違っていて、ロケハンは面白くいい経験になりました」と関係者の協力に感謝する。
先んじて映画を鑑賞した在校生の中では、沢渡家の人工知能搭載型家庭用オートボット・ナナコの人気も高かったという。ナナコ役の悠木碧と同日にアフレコ収録に臨んだという杉咲は「繊細で温かみのあるナナコの声に自分の気持ちを引っ張り出してもらいながら、とても尊い時間を過ごさせていただきました」とアフレコを回想。杉咲はナナコについて「ナナコは離れていてもつながれる存在なので、テレビの録画などを忘れたときにナナコに頼みたい!」と素朴な妄想を膨らませた。
観客とのQ&Aで、自分の小学校時代の様子を問われた杉咲は「活発でしたね。休み時間になると男の子たちと鼻血を出しながらドッジボールをしていました。竹馬と鉄棒にもハマっていて、竹馬は一番高くして歩いたり、鉄棒では足かけ回りをしてひたすら回ったりしていました」と回答。「夢を叶える秘訣は?」という質問については「何がしたいのかを家族や周りの人に話すこと。そして行動を起こすこと。やってみたいという思いは周りの人と共有するようにしていました」と答えた。
最後に杉咲は「宇宙とのつながりを感じられるとても夢のある物語。悠真とナナコが大切なものを信じて一歩一歩進んでいく姿は現実的で、SFとのバランスが魅力的です。私はこの作品を通して自分の大切な存在を思ったり、抱きしめたい気持ちになったりしたので、皆さんにも同じような気持ちになっていただけたらうれしいです」とコメント。黒川監督は「今週の10月21日の金曜日から映画館でも上映されるので、友人やご家族を連れて映画館という環境でもう一度観ていただければと思います」とアピールした。「ぼくらのよあけ」は全国でロードショー。
■ 劇場アニメ「ぼくらのよあけ」
2022年10月21日に全国公開
□ スタッフ
原作:今井哲也「ぼくらのよあけ」(講談社「月刊アフタヌーン」刊)
監督:黒川智之
脚本:佐藤大
アニメーションキャラクター原案・コンセプトデザイン:pomodorosa
アニメーションキャラクターデザイン・総作画監督:吉田隆彦
音楽:横山克
アニメーション制作:ゼロジー
配給:ギャガ/エイベックス・ピクチャーズ
□ キャスト
沢渡悠真:杉咲花
ナナコ:悠木碧
岸真悟:藤原夏海
田所銀之介:岡本信彦
河合花香:水瀬いのり
岸わこ:戸松遥
沢渡はるか:花澤香菜
沢渡遼:細谷佳正
河合義達:津田健次郎
二月の黎明号:朴ろ美
※朴ろ美のろは王へんに路が正式表記。
(c)今井哲也・講談社/2022「ぼくらのよあけ」製作委員会