Text by CINRA編集部
Netflixが、新プラン「広告つきベーシック」を11月4日から日本で提供開始する。
これは本日10月14日付けで発表されたもの。月額790円の「広告つきベーシック」プランでは、広告を挟みながら、月額990円の「ベーシック」とほぼ同じサービスを提供する。「ベーシック」との相違点は、ライセンスの関係で一部の映画やドラマが視聴できない点、ダウンロード機能が提供されない点だ。
なおフルHD画質の「スタンダード」プランは月額1,490円、UHD 4K画質の「プレミアム」プランは月額1,980円。今回の新プランの提供で、ユーザーの選択肢が広がったかたちとなる。
Netflixヘルプセンターより
広告は1時間あたり平均して約4分間ほど流れ、1つの広告の長さは30秒程度を予定。流れるタイミングは、当面は作品の再生前と再生中とのこと。
適切なターゲット層に広告が届くよう工夫がなされ、国単位、また作品ジャンル(アクション、ドラマ、ロマンス、SFなど)ごとに出稿を決められるようにするほか、広告主のブランドに適さない作品(性的描写や過激な暴力表現など)に広告を表示しないようにするメニューもあるという。
「広告つきベーシック」プラン提供に伴い、「ベーシック」のサービス内容も一部変更になる。これまでの画質は最大480pのSD画質だったが、「ベーシック」「広告つきベーシック」ともに最大720pのHD画質での提供となる。
「広告つきベーシック」は11月からカナダ、メキシコ、オーストラリア、ブラジル、フランス、ドイツ、イタリア、日本、韓国、イギリス、アメリカ、スペインの12か国で順次提供開始となる。
2022年4月には、低価格の「広告付きプラン」を導入する計画を表明していたNetflix。7月には広告付きプランを開始するにあたり、Microsoftと提携することを発表していた。
CINRAでは以前、Netflixが低価格の広告付きプランを導入する狙いについて解説する記事を掲載した。Netflixは決算発表にて、2022年の第1四半期に20万人、第2四半期に97万人の有料会員を失ったと報告。そういった苦境を背景に、当初は広告付きプランの導入に否定的だったというNetflixが、Disney+やAmazonプライムビデオ、Apple TV+といったライバルたちに対抗するため、新たなユーザー獲得と収入源を確保することが急務となったのではないかとの見解を示した。数々の魅力的な作品で、世界のエンタメ市場に独自のポジションを築くことに成功したNetflix。新たなプランがさらなる成長を後押しすることを期待したい。