トップへ

A.B.C-Zメンバー分析 第3回:戸塚祥太、舞台を中心に磨き上げた豊かな感性 まわりを引き込む独自の世界観

2022年10月14日 09:11  リアルサウンド

リアルサウンド

A.B.C-Z

 デビュー10周年記念ツアー『A.B.C-Z 10th Anniversary Tour 2022 ABCXYZ』を9月25日に終えたA.B.C-Z。10月26日には表題曲を大黒摩季が手掛けた13thシングル『#IMA』がリリースされるなど、11年目に向けて勢いを増している。そんなA.B.C-Zのメンバー一人ひとりの魅力を改めて考えてみたい。第3回は戸塚祥太。


(関連:マイケル・ジャクソンがジャニーズメンバーに与えてきた影響ーーA.B.C-Z 戸塚祥太らの発言から考察


 戸塚はA.B.C-Zの中でも、ドラマ、舞台、映画と演技面で活躍しているメンバーだ。2021年にドラマ『凛子さんはシてみたい』(TBS系)で、高田夏帆とダブル主演を務めたことも記憶に新しい。今年はドラマ『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)にも出演し、悲しみや怒り、絶望など様々な感情が渦巻いた戸塚の演技を評価する声が多々見られた。また、映画に対する造詣が深い戸塚は、映画出演を「ジャニーズJr.の頃からずっとずっと夢のひとつとして掲げていた」と語っており(※1)、2015年には念願叶って『恋する♡ヴァンパイア』で映画デビューも果たしている。


 こうした演技面での活躍の中でも、とりわけ舞台へ精力的に出演をしており、個人でもほぼ毎年出演。多いときではグループ全員での舞台に加え、ソロで4作品に出演した年もあったほどだ。2022年も『フォーティンブラス』、歌舞伎初挑戦となった『六本木歌舞伎2022「ハナゾチル」』と2作品に出演しており、現在も主演舞台『今度は愛妻家 THIS TIME IT’S REAL』が上演真っ最中だ。その舞台で磨かれた滑舌の良さと声の通り具合、感情の出し方の巧妙さは彼の武器の1つ。普段の落ち着いた柔和な雰囲気からは想像できないほどで、そのギャップに驚いた人もいるのではないだろうか。しかし、それがまた彼の新たな魅力へと繋がっている。


 こうして多くの作品に携わってきた戸塚。自身の感性に刺激を与え続けてきたことが、現在の彼の豊かな感性に繋がっているとも言えそうだ。というのも、戸塚の端正な顔立ちは「正統派ジャニーズアイドル」といった佇まいだが、中身はいい意味で一番ジャニーズらしくないのかもしれない。その独特の世界観に、つい目を奪われる人も多いはずだ。


 例えば、Twitterの投稿。ジョン・レノンの誕生日である10月9日には、「Happy Birthday JOHN!!!」という言葉とともに「Get Back」と思われるメロディをギターでかき鳴らしている姿を投稿。あるときは、1人で“ツイストコンテスト”なるものを開催して、自動的に優勝してみたり。海外アーティストや曲名、洋画のタイトルに掛けたツイートをしてみたり。その姿たるや、フリーダムなロックミュージシャンさながらである。さらに、2月にリリースされたベストアルバム『BEST OF A.B.C-Z』に収録されているソロ曲「星が光っていると思っていた」も、“戸塚節”全開。自身が作詞作曲(作曲は清水哲平との共作)を手掛けている同曲における後半の畳み掛けるような語りの部分には、思わず引き込まれるはずだ。まだ聴いたことのない方はCD、もしくはこの先発売されるであろう10周年ツアーのDVDをチェックしてみてほしい。


 演技、パフォーマンス、センス、あらゆる方面において見る人の目を引く戸塚。確固たる仕事ぶりを見せつつも自身のセンスをしっかり盛り込める彼こそ、表現者と呼ぶにふさわしいのかもしれない。(高橋梓)


※1:https://www.oricon.co.jp/news/2046891/