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岩田剛典、JO1、Tempalay、超特急……10月12日リリースの新譜4作をレビュー

2022年10月11日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

岩田剛典『The Chocolate Box』

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は10月12日リリースの岩田剛典『The Chocolate Box』、JO1『MIDNIGHT SUN』、Tempalay『from JAPAN 3』、超特急『宇宙ドライブ』の4作品をピックアップした。(文:森=森朋之、渡部=渡部あきこ)


(関連:岩田剛典が明かす、歌手デビューから得た刺激 初挑戦だらけの新曲「Ready?」に反映されたスタンスも


■岩田剛典『The Chocolate Box』


 昨年、シングル『korekara』でソロ活動をスタートさせた岩田剛典(EXILE/三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)の1stフルアルバム。〈君がいるから 強くなれる〉というフレーズでファンの心をグッと引き寄せるソウルポップチューン「Only One For Me」ではじまり、チル&メロウなトラックのなかで“限りある人生、楽しみながら進もう”とメッセージする「Keep It Up」、ジャズとエレクトロを融合させながら、官能的なボーカルを響かせる「Deep Dive」など、トレンドと親しみやすさをバランスよく結びつけた楽曲が並ぶ。国内外のクリエイターのチョイス、心地よいフロウを奏でる歌声など、彼自身の趣味の良さが通底しているのも印象的だ。1960年代のポップアートを想起させるアートワークは、岩田自身が手がけている。(森)


■JO1『MIDNIGHT SUN』


 初のアリーナツアーも大盛況のグローバルボーイズグループ・JO1が、6枚目のシングルをリリース。〈Supercalifragilisticexpialidocious〉というワードを繰り返し登場させながらミステリアスな世界観を表現したリード曲「SuperCali」に始まり、青春時代のピュアな恋心を歌う爽やかなミディアムポップバラード「16(Sixteen)」、“君”のいない喪失感をエモーショナルかつ繊細に描いた「Phobia」、どうしようもなく惹かれてしまう相手をバラにたとえた歌詞と躍動感あるビートが印象的な「Rose」の4曲が形態別に収録されている。それぞれの楽曲に共通するのは、現実と虚構、夜と昼といった曖昧な世界。どちらにも属さないことで縛りやルールから解き放たれ、新たな一面を獲得していく姿を体現した。コンセプチュアルな表現に果敢に挑み、グループの絆を一段と深めた作品だ。(渡部)


■Tempalay『from JAPAN 3』


 サイケデリック、チルポップ、オルタナR&B、ジャズ、ファンクなどの多彩な要素を感じさせつつ、直感的・肉体的なバランス感覚で融合させ、独創的としか言いようがないバンドの音楽に昇華し続けるTempalayの新作は、人気曲「革命前夜」をはじめとするインディーズ時代の楽曲をアップデートした“リボーンアルバム”。時代の変化に合わせるのではなく、小原綾斗(Vo/Gt)、藤本夏樹(Dr)、AAAMYYY(Syn/Cho)がそれぞれの感性と技術を研ぎ澄ませ、原曲以上に奔放にリビルドとした作品と言えるだろう。“黄泉の国のシティポップ”と呼びたくなる「続・sea side motel」、ノーウェイブ的なダンスチューン「続・新世代」など、知性と本能がせめぎ合うアレンジと演奏も最高だ。(森)


■超特急『宇宙ドライブ』


 バックボーカルのシューヤ(11号車)、メインダンサーのマサヒロ(12号車)、アロハ(13号車)、ハル(14号車)がオリジナルメンバーの5人と“連結”(加入)し、再出発した“メインダンサー&バックボーカルグループ”超特急から、新体制第1弾シングルが到着。表題曲「宇宙ドライブ」は、日韓プロデューサーチーム・MADLEMONが作曲を手がけたナンバー。ファンク、ドラムンベースなどを織り交ぜたハッチャけたサウンド、自由に飛び跳ねるメロディ&ラップ、「寿司食いながら宇宙一になるぞ!」というコミカルなリリックがぶつかり合い、理屈を超えたアッパー感を生み出している。クヨクヨと悩んでいるのがくだらなく感じるようなメンバーのパフォーマンスも超爽快。(森)