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生理って何?不調の仕組みと対処のコツ

2022年10月11日 10:02  オズモール

オズモール

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◆【医師監修】生理って何? カラダが不調になる仕組みと対処のコツは

肌が荒れる。食欲が増す、もしくはなくなる。体重が増える。むくむ。イライラする。眠くなる……などなど、生理が近づくと体にはさまざまな影響があらわれます。こんなにいろいろなつらいことがおきるのに毎月来る「生理」って、いったい何なの? こんなに体調に影響が出るのはなぜ? つらい症状はどうしたら改善できる? など、生理にまつわる疑問について、産婦人科医の宋美玄先生に教えていただきました。


◆教えてくれた人

産婦人科医 宋美玄先生
丸の内の森レディースクリニック院長、一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会代表理事

産婦人科専門医・医学博士。大阪大学医学部医学科卒業。丸の内の森レディースクリニックの院長として周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、書籍、雑誌などで情報発信を行い、産婦人科医の視点から社会問題の解決とヘルスリテラシーの向上を目指して活動中。主な著書に、ベストセラーとなった「女医が教える本当に気持ちいいセックス」がある。


◆教えて先生! 生理ってそもそもなんですか?

生理は「今月、妊娠しませんでした」というサイン
ほぼ毎月、一定のタイミングで、子宮内膜がはがれ落ちることによって生じる出血を「月経(生理)」といいます。次の月経予定日がくる前に妊娠が成立すると、子宮内膜ははがれ落ちず、赤ちゃんのベッドとなるため、月経はおきません。妊娠しておらず、子宮や卵巣が健康にはたらいている場合、「妊娠の準備をしていたけれど、今月は必要ありませんでした。だからリセットします」と、子宮にためていた経血を排出し、月経がきます。
つまり、月経とは「今月は妊娠をしませんでしたよ」というサインなのです。
デトックス効果のような健康上のメリットがあるわけでも、女性の美と健康の維持に欠かせない存在でもなく、単なる子宮内膜の新陳代謝、それが月経です。






おなか、腰、頭の痛み……生理痛はなぜおこる?
月経痛はおもに、はがれ落ちた内膜を排出しようとする子宮の収縮と「プロスタグランジン」という痛みを生じさせる物質によって生じるといわれています。
さきほどもお話ししたように、ある程度の年齢になると女性のカラダは毎月、子宮内膜を厚くし、妊娠の準備をするようになります。しかし「今月は妊娠しなかった」ということがわかると、準備していた子宮内膜がごそっとはがれ落ちます。
はがれ落ちた内膜は子宮にとって異物と認識されます。そして、それらを子宮から排出しようと子宮が収縮するため、下腹部に痛みが生じます。また、内膜がはがれ落ちるときに発生するプロスタグランジンによって、下腹部以外にも腰や頭など、カラダのさまざまな場所に痛みが生じます。月経痛はこのような仕組みがはたらき、生じていると考えられています。



生理の前におこる心身の不調「PMS」「PMDD」とは
月経痛のように月経期間中にあらわれる症状だけでなく、月経前に増加する女性ホルモンの影響で、毎月の月経が始まる直前にココロやカラダに不調が生じることもあります。それらはPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)とよばれます。
症状は人によってさまざまですが、PMSで比較的多いのは、おなかが張ったり、痛くなったりする腹部の症状です。ほかには全身がむくみやすくなったり、睡眠に影響が出て眠れなくなる、もしくは眠くてたまらなくなったり、メンタル面の症状が現れて、気持ちが落ち込んだり、イライラしたりすることもあります。
なかでも特に精神的な症状が強く出るものを、PMDDといいます。抑うつの症状が強く出ることが多く、発症が月経前に限定されているPMSと違って、月経前以外の時期にも症状があらわれやすいのが特徴です。