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チャールズ国王、戴冠式の計画の一部が明らかに 時間やゲストを大幅に削減

2022年10月10日 08:41  Techinsight Japan

Techinsight Japan

チャールズ国王の戴冠式計画の一部が明らかに(画像は『The Royal Family 2022年5月10日付Instagram「Today The Prince of Wales read The Queen’s speech at the State Opening of Parliament for the first time.」』のスクリーンショット)
チャールズ国王(73)の戴冠式の計画の一部が、英メディアによって明らかになった。伝統的な儀式には現代の英国が反映され、時間や招待客数、儀式の内容が大幅に縮小されるという。国王は以前から王室のスリム化を提唱しており、自身の戴冠式は国民感情や社会情勢を懸念して、従来よりも縮小した儀式を望んでいると報じられていた。

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エリザベス女王が現地時間9月8日に崩御したことにより、女王の長男チャールズ皇太子(当時)が自動的に王位を継承した。これにより皇太子は君主である“チャールズ国王”に即位し、王位就任を宣誓する正式な伝統儀式「戴冠式(Coronation)」は、今後慎重な計画のもとに行われることになる。

国王ジョージ6世が1952年2月6日に崩御後、君主に即位したエリザベス女王の戴冠式は、翌年1953年6月2日にロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われた。その儀式は父ジョージ6世の1937年の戴冠式と、祖父ジョージ5世の1911年の戴冠式をモデルとしたものだった。

2023年は故エリザベス女王の戴冠式からちょうど70周年を迎えるため、来年6月2日がチャールズ国王の戴冠式に選ばれるという憶測も飛び交っている。

また国王が以前から王政の合理化とスリム化を提唱していることや、英国での物価や光熱費の高騰により国民が生活に危機感を覚えていることなども懸念し、戴冠式は縮小したものを望んでいるとも報じられていた。

そんななか英メディア『Mail On Sunday』が現地時間8日、国王の戴冠式を計画する“Operation Golden Orb(金の宝珠作戦)”の一部が明らかになったと伝えたのである。

同メディアによると、儀式は伝統的な3時間以上のものから1時間強に短縮される。また8000人と予想された招待客を2000人に削減するため、貴族や国会議員の多くが出席を断念することになる。さらにドレスコードについても議論が交わされており、貴族は儀式用のローブの代わりにラウンジスーツ(一般的な背広)の着用が許可される可能性があるという。

伝統的な戴冠式では、君主に金のインゴットを贈呈する儀式なども行われるが、これらは時間短縮のために廃止する予定だ。

チャールズ国王の即位に伴い、王位継承順位が1位となったウィリアム皇太子は、戴冠式で重要な役割を務めるという。

同メディアが取材した王室関係者は「国王はこの70年間に世界が変わったことを認識し、戴冠式の内容を大幅に縮小したのです」と説明している。


軍務伯として戴冠式の指揮を執るノーフォーク公爵は、現代の英国を反映するため、シンプルで短く多様化した式典の準備を命じられたそうだ。そのため儀式は宗教的・文化的に多様化したもので、衣装替えが少なくなり、現代的な言葉が使用されるとみられる。

とはいえ戴冠式では、大司教が国王の頭と胸と両手に精油を塗り「信仰の擁護者」であることを誓う最も聖なる儀式や、国王が1762年製のゴールド・ステート・コーチに乗るなどの伝統は引き続き行われる予定だ。

画像は『The Royal Family 2022年5月10日付Instagram「Today The Prince of Wales read The Queen’s speech at the State Opening of Parliament for the first time.」』『Royal Collection Trust 2022年6月5日付Instagram「What do you know about the Gold State Coach that’s usually housed at the Royal Mews?」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)