isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
ウルトラ躁
今週のおひつじ座は、浄化と解放におのれを明け渡していくような星回り。
『月に躁(さわ)ぐわが細胞や六十兆』(池田瑠那)という句のごとし。
ここでの「躁」という字が使われていますが、これはギリシャ語の「マニア(躁)」に由来するもの。古代ギリシャ人にとっては、狂気が荒れ狂うほど、カタルシス(浄化作用)も大きく、人格が変容するほど生まれ変わったように日常世界に戻ることができるとされていました。
あなたもまた、そうしたある種のピーク体験に向けていつも以上に心身が高揚していきやすいでしょう。
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コスプレするなら誰を装う?
今週のおうし座は、どこか心惹かれてやまない後ろ姿をそっと追いかけていくような星回り。
『風俗文選』の「西行上人像讃」に松尾芭蕉の「捨てはてて身は無きものと思へども 雪の降る日は寒くこそあれ、花の降る日は浮かれこそすれ」という言葉がありますが、これは芭蕉が憧れた西行に見出した、隠遁の真髄に触れている一節と言えるでしょう。
先の小説の一節や、能楽で舞台上の恋愛や修羅の悲喜こもごもが終わったあとに諸国を旅する隠遁の僧が立ち上がり、「今まで鬨の声と聞いたのは松風や波の音であった」と語る場面などにも通じているように思います。
おうし座もまた、懐かしくも新鮮な感情を思い出させてくれる面影をそっと追いかけていくことになりそうです。
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取り繕うのはもうたくさん
今週のふたご座は、だんだん素顔にもどっていくような星回り。
『秋風に少し後れて笑ひけり』(山尾玉藻)という句のごとし。
どれだけきれいな文言やイメージで表向きの顔を取り繕っても、いや取り繕えば取り繕うほど、心の奥底にある行き場のなさや虚しさは増していく。ならばいっそ、取り繕ったことを含めてそれを表現してしまえ。掲句はそんな思いきりの為せる業でもあったのではないでしょうか。
あなたもまた、そんな一周まわった開き直りを試みてみるべし。
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人生は短く、芸術は長い
今週のかに座は、大いなる自然のごとき存在となることを目指していこうとするような星回り。
編集者の後藤繁雄によるインタビュー集『独特老人』(2001)には、水木しげるや淀川長治など錚々たる顔ぶれが並んでいます。文庫版のあとがきで彼らは「『一流』とかではなく『破格』である」「これから日本がむかえる老人社会のモデルになるとは言えないかもしれない」と続けています。
そして「独特とは、円満な境地には現れない。むしろ『奇』『狂』『偏』の中にこそ現れる。したがって彼らは皆『野』の人である。通俗的な『権威』『名声』とは無縁、それらを超えている。たとえ評価が得たとしても、結果に過ぎず、すぐさま破り捨ててしまう。手が付けられないのである」と。
あなたもまた、そんな「独特」の境地へと自身のキャリアがいかに繋がっていけるかということを考えてみるといいでしょう。
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すてきなひとりぼっち
今週のしし座は、分断をふたたび連続へと連れ戻す往還運動のただ中に、引きずり込まれていくような星回り。
『黄金の眞実人体秋の暮れ』(永田耕衣)という句のごとし。句自体は静的で無時間的なひとつの場面を提示しているだけなのに、それを読者が「読む」ことで、意識はどこまでも続く延長、連続、途上、生成へと絡めとられていく。
俳句とはどこまでも存在を「茶化す」ことに他ならず、ともすると平板化や単純化に陥りがちな現実を、たえず解体しては再組織化し続ける営みなのだとも言えます。
あなたもまた、破壊がそのまま救済であるような強烈な「茶化し」をキメていきたいところです。
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もっと悲しくなろうよ
今週のおとめ座は、「日常のごくささいな死の欲動」という言葉を地で行くような星回り。
これをやったらまずいんじゃないかなと思いつつ、ついやりたくなってしまうようなところが人にはあるもの。
劇作家の宮沢章夫はこれを「日常のごくささいな死の欲動」と呼んでいましたが、宮沢はさらに、なぜか「回転するもの」は、特にこうした欲動を刺激しやすいのだとも言及しています。
あなたもまた、そんな欲動をそっとほとばしらせていくはず。
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もしもし、神さまですか?
今週のてんびん座は、透明な交わりをたぐり寄せていくような星回り。
『水澄むやあとはバトミントンでいい』(宮本佳世乃)という句のごとし。
こちらを困らせ、笑っているのは一体だれなのだろうか。どこまでも澄んだ水とともに、その存在までもが透き通ってしまっているかのようなその相手は、大人になると見えなくなってしまう子どもの頃のイマジナリーフレンドや、記憶の彼方の古い友だちなのかも知れません。
あなたもまた、そんな記憶の彼方の相手を呼び出していくことになるでしょう。
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苦い汁をすする
今週のさそり座は、いつの間にか現代人の身の内深くまで食い込んでいる「スマートさ」を、ふるい落としていこうとするような星回り。
デジタル化が進んだ現代では、出会いも恋愛もアプリのワンタッチで始められるようになりましたが、人と人との繋がりの濃密さを追い求めずにはいられないさそり座にとっては、そうした便利さやスマートさをよしとしているかと言えばそうではないはず。
昭和の時代はもっと手間隙をかけていたことから、欲しいものを手に入れる喜びの強度を求める人ほど、「昭和」という記号にある種のロマンを抱いたり、そこに漂うノスタルジックな汗臭さをすすんで纏っていこうとするのではないでしょうか。
あなたもまた、ここぞというタイミングであえて時代錯誤なアプローチを取っていくべし。
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冗談から真実
今週のいて座は、小さな思想運動の実験室を開いていくような星回り。
『秋天や最も高き樹が愁ふ』(木下夕爾)という句のごとし。
「愁い」は無意識的な感性として、この森林列島に住む人びとのなかに昔から備わってきたものだと思いますが、それを改めて意識化して、ひとつの思想として縮小された姿が「最も高き樹が愁ふ」であり、それを「秋の空」と取り合わせたこの句なのです。
あなたもまた、そうした極小へと向かう美意識のもと、何らかの対象にエネルギーを凝縮させていくべし。
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負けるが勝ちよ
今週のやぎ座は、グロテスクな内輪感を身近に感じていこうとするような星回り。
映画『ブギーナイツ』は、70年代末のアメリカ西海岸を舞台に、ポルノ映画産業の内幕を描いた作品。ポルノ映画監督でありプロデューサーであるジャック・ホーナーのもとに、世間から蔑まれ拒絶された者たちが集まり、ある種のシェルターや疑似家族を形成していくのです。
こうした内輪でしか通用しない感覚がとことん煮詰められることによって精神が奇形化していく人間の怖ろしさというのは、現代の日本社会に生きる私たちにとっても縁遠いものではないはず。
あなたもまた、内輪の心地よさと怖ろしさとを改めて痛感していくことになるかも知れません。
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波打つ熱情と震える指先
今週のみずがめ座は、世を呪い人を嘲る皮肉な調子とは真逆の方へ、言葉を用いていくような星回り。
『柿売つて何買ふ尼の身そら哉』(村上鬼城)という句のごとし。
作者はあえて俗気の抜けきらない尼をなじったという訳ではなく、金を持つ楽しみというのは、結局のところ口に甘いものとか、耳目を喜ばすところのものとか、そういうものを得たいがためのものであり、それは出家した尼であろうと誰であろうと、同じ人間であれば変わらないじゃないか、と言ったのでしょう。
あなたもまた、発する言葉によくよく自己への滑稽や人間を恋い慕う心持ちを含ませていけるかがテーマとなっていくかもしれません。
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覚めた目で見届けるべきもの
今週のうお座は、「そもそも私であるということは何であることなのか」といった謎の感覚を呼び覚ましていくような星回り。
士郎正宗の『攻殻機動隊』(漫画原作は1995年刊行)で描かれた近未来世界では、すでに人間は当たり前のようにサイボーグ化され、身体は自由に付け替えのきく「義体」と呼ばれるものとなっていますが、主人公の草薙素子はそうした事態そのものに疑問を抱き、ある時ふと次のようにつぶやきます。
「私は時々『自分はもう死んじゃってて、今の私は義体と電脳で構成された模擬人格なんじゃないか』って思う事もあるわ」
あなたもまた、自分が現に生きているという確信を得るために、一体何が必要なのかということがおのずとテーマになっていくはず。
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