目下、同業者が次々ドロップアウトしている。元々そんなに儲かる仕事じゃないのがライターなんだけど、個人事業主として細々とやれるところが魅力みたいなものだった。だけど今はどこもかしこも不景気で、掲載媒体そのものが店じまいすることも多くなり、結果食い詰めてしまう人が増えている。
まもなくインボイス制度も導入されるが、登録するのがめんどくさいので、2年以内に転職すると公言するお仲間も出たほど。
もちろん、会社員が安泰かと問われればそういう時代でもない。右を見ても左を見ても金が無いというのが日本の今。社会全体が個々人の人生を金銭的にも精神的にも担保できなくなった感がある。(文:松本ミゾレ)
「詐欺が多様化&身近になってる」
今日は日本の貧困化についての話をしていきたい。先日、ガールズちゃんねるに「日本は貧困化しているんだな…と思うこと Part2」というトピックが立っていた。
これを立てた人物は、自分が見て実感したこととして「デパート系の服ブランドがどんどんブランド終了している。モール系の安めなブランドやファストファッションが増えていること」を挙げている。
他にも色んな気付きの声が挙がっている。いくつか紹介させていただきたい。
「プレミアム付き商品券に長蛇の列」
「欧米人から『日本は何でも安いんだよ!』と言われるようになったこと。東南アジアの人達からも旅行しやすい国だと思われ始めていること」
「詐欺が多様化&身近になってる」
一部を除いて、基本的にはみんな生活レベルが下がったか停滞してるかなのだろう。色々と愚痴っぽい声が目立った。
あと、複数寄せられていたのがスーパーや弁当屋で半額シールが貼られる頃合いにやってくる人が増えたとする意見。これに関しては何年か前にこちらでも似たような話を取り上げた記憶がある。以前だったら、その時間になって仕事が終わって買い物するサラリーマンもいるわけで、みんながみんな半額狙いじゃないでしょ、とも思ったが、最近は明らかに半額待機勢って増えたなぁ。
半額シールを貼っていくお店の人の後ろを、カルガモの雛のように列をなしてついて行く人とか昔より増えたもん。
食費を抑えるのは節約のコツなので別に僕がどうこう言うことじゃないんだけども、「ここまでしないと食うにも困ってるのかな」と思ってしまうし、自分の老後を想像するのが恐ろしくなる。
嘘の儲け話に冷静さを失わないでくれ
詐欺が多様化、という意見があったがこれは僕もそう感じる。Twitterでは「フォローとRTで100万円プレゼント!」みたいな、いわゆるお金配りアカウントのしょうもない嘘発信を真に受けてリツイートし、DM経由で個人情報を教えちゃうネットリテラシー皆無の人とかいるもんね。
そもそも他人から金をいただこうというそのさもしい精神を見せつけられると「ああ、日本ってお金と一緒に品性まで喪失した人がこんなに増えたのか」って悲しくなる。武士は食わねど高楊枝とか、清貧なんて言い回しはもう過去のものだ。
僕みたいにそもそもひねくれてる人間などは、こないだ宇宙旅行していたお金持ちのやるお金配りに群がる人のことを正直軽蔑している。「そこまでへつらう必要ある? 面識ないでしょ」って気持ちになった。
結果的に、あれに多くの人が飛びついたのを詐欺師が見たことで、「お金配りで詐欺しようぜ」という余計な悪巧みが加速した感がある。「他人さまにお金なんか無心するもんじゃない」という当たり前の高潔さがあれば、お金配り詐欺なんか流行しなかったのだ。
ただまぁ、こないだも、こういう嘘のお金配りに騙されていいように使われ、受け子に仕立て上げられてた人がニュースを賑わせていたけど「普通考えればおかしいってわかるでしょ」ということもわからなくなるのが貧困なのかも。貧すれば鈍する。昔の人はよく言ったもんだよね。
日本という国が貧しい国になるのは、これはもう仕方がないこと。しかしどれだけ貧しくても、その貧しさに付け込もうとしてくる他人の悪意には、最低限敏感でありたいなぁ。美味しい話なんてないって。そんなものがないから、私達はほら、等しく貧しくなってきてるじゃないですか。