就職活動のやり方に正解・不正解はないが、自分の決断が将来を大きく左右していたと気づくときはくる。現在は事務・管理の仕事をしている20代後半の女性(東京都/年収350万円)は、「ずっと後悔していること」として、自分の性格を尊重して就活に臨んだエピソードを明かした。(文:永本かおり)
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「何社も並行して受けるのが不誠実としか思えず」
女性の後悔は「大学時代に就活を始めた時」にさかのぼる。誠実に企業と向き合うため、次のようなルールを自分に課していたという。
「何社も並行して受けるのが不誠実としか思えず、その時その時で一番行きたい企業しかエントリーしなかった」
つまり結果が出るまで一社しか受けないのだから、効率が悪いのは明らかだ。その結果、
「当時は売り手市場で就職にも強い大学だったのに、気づけば内定なしは公務員組と私だけ」
「結局そのまま卒業して派遣社員になったが、○○大を出て派遣とか健康やメンタルに問題を抱えた人間ではと変に疑われて辛かった」
納得いく就職には繋がらず、苦しい経験を振り返った女性。しかし、その後も誠実な姿勢で努力を重ね、現在は希望する雇用形態で働いているという。
「何とか派遣先で認めてもらって正社員雇用にはなったが回り道をしたなと思う」
就活に対して後悔の気持ちがある一方で、
「でも今の記憶を持ったままタイムスリップしてあの時に戻ったとしても、何社も同時エントリーは逆に自分の精神が耐えられないと思う。 本当に損な性格ですね」
と、不器用な自分を肯定しつつ自嘲気味に綴っていた。